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3月15日に行われるオランダ下院選挙では、ヘルト・ウィルダース氏が率いる自由党が躍進、最大議席数を獲得することはほぼ確定と思われる。しかし、自由党は他政党との連立がなければ自由党主導の政権運営、ウィルダース首相の誕生はありえない。
オランダ政党別の現獲得議席数
自由民主党(VVD): 現ルッテ首相率いる政党、41議席
労働党(PvdA): 第2党、連立与党、38議席
自由党(PVV): ヘルト・ウィルダース党首、反移民、反イスラム、反EU、15議席
社会党(SP): 15議席
キリスト教民主勢力(CDA):13議席
民主66(D66): 政治機構の根本的改革と米国式大統領制度を目指す、12議席
キッリスト教連合(CU): 5議席
グリンレフト(GL): 4議席
改革政党(SGP): 3議席
動物党(PvdD): 2議席
50プラス(50+): 2議席
連立与党が成立するには、下院議席数が76に達しなければならない。しかし各政党は選挙前からウィルダース氏率いる自由党との連立を組まないと表明している。そのため、自由党の獲得議席数が最大与党の自由民主党を上回っても、連立を組まない限り、ウィルダース氏がオランダ首相となることはない。今後ウィルダース氏が連立を組めるかが最大の注目点となる。
現与党連立の自由民主党と労働党は世論調査では、議席数を大幅に落とすことが予想される。自由民主党は現獲得席の41から24議席、労働党は38から10~13議席に減少すれば、連立を組んでも76議席には達しない。場合によっては、5~6政党による大連立を組まない限り、新政権が成立しないことが考えられる。
どちらの場合を取っても政治混乱は避けられない状況にある。この政治混乱な状態は、4~5月のフランス大統領選または9月のドイツ連邦議会選挙まで続く可能性が高い。フランスとドイツの選挙結果では、オランダの政治環境が大きく変わり、ウィルダース氏は他の政党と連立を組める状況になることが考えられる。