不可解な事件が続く米シークレット・サービス

20.03.2017

Photo: usnews

 

 

ホワイトハウスの敷地内への不法侵入事件が連続

 18日夜11時にホワイトハウスの警備に当たっている米大統領警護隊(シークレット・サービス)の検問所で、車に爆発物を積んでいると脅した男性が逮捕された。男性の車は盗難車で、車を爆発させると叫んだところ取り押さえられた。3月10日からの8日間で、ホワイトハウスで逮捕劇は3件である。

 

 同じ18日午後13時前には、ホワイトハウスの敷地内に不法侵入したが、男性はシークレット・サービスに拘束された。容疑者は58歳の男性で武器は持っていなく、動機は不明である。

 

 その前の10日夜11:38には、ホワイトハウスの敷地内に不法潜入した男性がシークレット・サービスによって逮捕された。ホワイトハウスの敷地外側からの柵と内部2つの柵を飛び越え、敷地内を16分間歩き回り、庭園サウスローンに面する窓から内部を覗き込み、ドアを開けようとしたところで取り押さえられ逮捕された。容疑者が所有するバックパックにはペッパースプレーと大統領当ての手紙が含まれた。容疑者はカリフォルニア州に住むアメリカ国籍のジョナサン・トラン(26歳)で不法侵入の動機は未だに不明である。

 

 

シークレット・サービス警護官のパソコン盗難事件

 16日には、シークレット・サービスの女性警護官が、トランプ大統領の家族が住むトランプ・タワーの見取り図、ヒラリー・クリントン氏の使用メール問題に関する捜査情報や他の国家安全保障に関わる情報が保管されていたノートパソコンを盗まれる事件が起きる。

 

 自宅にあった車の中から、パソコンとシークレット・サービスのロゴが入った袋が盗まれた。パソンコンだけでなく、「機密」書類と女性警護官のアクセスカードも盗まれたとされる。防犯カメラで、バックパックを持つ犯人が別の人物が運転する車で来て、パソコンと袋を盗んだ後、歩きで逃走するなど計画的な犯行であったことが明らかとなった。

 

 シークレット・サービスによると、パソコンの機密情報は暗号化されて、許可ある人以外がアクセスできない他、必要があれば遠隔操作でパソコンのハードディスクを消却することができ、情報が漏れることはないとしている。しかし、機密情報が書き込まれたパソコンを盗まれたことは、シークレット・サービスの警護官の無責任な機密情報の扱い方と言える。シークレット・サービス機密情報漏洩につながる恐れがある。

 

 ホワイトハウス敷地への不法侵入及びシークレット・サービスの情報漏洩を狙った盗難事件と、政権中枢(ホワイトハウス)を標的とした警備上の不可解な事件が連続している。

 

Credit: phototourismdc