6年間に渡り学部大学生計約30万人を対象に行われた、大学での言論と思想の自由に関する調査("2026 College Free Speech Rankings")によると、オープンな議論や、反対意見を述べたり、反対意見を聞くことが年々難しくなっている。言論の自由を支持する環境が減少している傾向が全米にある。
調査を行なったのは、非営利団体の個人の権利と表現のための財団(The Foundation for Individual Rights and Expression: FIRE) と調査会社のカレッジパルス(College Pulse)である。
議論を通してお互いの知識や理解を深めることが最も必要とされる時代に、多くの学生は意見を述べること、特に物議を醸すような政治的問題について、自分の意見を話すことを自粛または避けると答えている。また、反対意見に耳を傾けることを拒否し、対立的な態度をとる。
最も不可解な調査結果は、物議を醸すスピーカーに対する寛容度が低く、言論の妨害を容認する学生の多さである。今年発表された第6回年次大学言論の自由調査では、スピーカーが話をできないように怒号を飛ばしてもいい(71%)、他の学生がイベントへ参加できないようにブロックする(54%)、キャンパスでのスピーチを阻止するために暴力を振るう(34%)などの行動が容認されていることである(下図)。
政敵を暴力で黙らせることを容認している大学生が3分の1以上で、過去4年間でこの行動を支持する学生が10%も増加している。この傾向は2021年から年々増加していることがわかる。この傾向は、米国内の二極化をますます悪化させる要因となっていくと思われる。