速報:北朝鮮にSLBM発射実験へ向けた新たな動き

12.08.2017

Photo: brecorder

  

 8月11日、北朝鮮が潜水艦発射の核ミサイル開発が急ピッチで進んでいるとする北朝鮮の衛星イメージの分析結果を38 Northが公表した。世界の関心は北朝鮮がグアム島に向けて8月中旬以降に発射する見られる中距離弾道ミサイル(火星12)と米国の対応にある中で、陽動作戦ともとれる潜水艦発射の核ミサイル開発が進行している事実が明らかになった。

 

 衛星イメージデータで最も注目されるのは、新甫基地に停泊中の新甫級潜水艦の前後部が布のようなもので隠されているである。この偽装は2016年7月に行われた北極星1号(KN-11)潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験の前に見られた潜水艦へのミサイル積載作業を隠すためのものとみられる。

 

 

 イメージ分析から北朝鮮は改良された潜水艦発射中距離弾道ミサイル(SLBM)の発射試験を行うものとみられる。また北朝鮮の馬養島にある潜水艦基地に停泊中のROMEO級潜水艦数に変化がみられないことから、作戦は新甫基地に停泊中の新甫級潜水艦が中心になるとみられる。改良作業の中身が核弾頭開発の完了なら今回の実験は、核弾頭ダミーを搭載したSLBM試射ということになる。

 

 KN-11 SLBMの射程は最大1,000kmであるため、これまで韓国、日本にとって脅威となると考えられて来たが、米国にとって太平洋西海岸に核弾頭SLBMが配備されると、ICBM配備を待たずして主要都市が核攻撃の射程に収まる。火星12が液体ロケットで事前察知可能なので、米国が最も恐れるのは核弾頭が装填されたSLBMである。今回のグアムへのICBM発射実験は陽動作戦で、核弾頭装備ICBMと核SLBM実戦配備の時間稼ぎなのかもしれない。米国とその同盟国に慎重な対応が求められている。

 

 なおSLBM搭載数は詳しい軍事ブログによれば最大で2基ということなので、現時点での攻撃能力は高くないが、核弾頭装備なら脅威となることは避けられない。ただし新甫級潜水艦の米国西海岸近くへの展開はできないので、より大型で航続距離の長い新型艦の開発が進められるであろう。

 

Credit: slideshare