Credit: Nature
カーネギー研究所(ワシントン)の研究チームは、ヨセミテ国立公園の花崗岩には、これまで考えられていたよりずっと低い温度で結晶化する鉱物が含まれていることを見出し、それが地球の地質学的歴史を書き換えることを明らかにした(Ackerson et al., Nature online June 27, 2018)。
花崗岩は、主に鉱物の石英および長石からなる火成岩である。それらは、地球の中で起こる火成岩の生成プロセスと、地球の表面上で固まった火山岩との関係を明らかにする手がかりとなる。
花崗岩は、我々の惑星が層状に分離し、大陸地殻の形成を理解する上で重要な情報記録媒体でもあり、 44億年前から今日まで、地球の地質史が刻み込まれている。
花崗岩が形成される条件は、溶けた岩が摂氏650~700度に冷却され結晶化すると考えられてきた。研究チームはヨセミテ国立公園の花崗岩の花崗岩結晶が、9000万年前に形成されたときに、地球の深部で結晶化する温度を決定した。花崗岩体の一種である、ヨセミテのTuolumne Intrusive Suiteと呼ばれる水晶が、474~561度で結晶化したことを明らかにした。
この発見でこれまでの地殻が最初に形成された時代の地質史を書き換えることになるかもしれない。また、噴火前に火山マグマが存在する温度や、鉱床が形成されるメカニズムについての最近の観察を説明することもできると期待されている。
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