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3千万ドル以上の総資産で定義したスーパーリッチ(超富裕層)の上に立つのが5億ドル以上の資産をもつウルトラリッチである。ウルトラリッチ(超富裕層)の資産家と定義して、可視化された居住国別ランキング2017年度版が公表された。国別の統計は複数のソースで出版されているがここでは国別ランキングを可視化してみると、地域的な富の極端な偏りが実感できる。
可視化に使われたデータは、不動産および不動産コンサルティング会社ナイト・フランクの調査結果をもとにした。ナイト・フランクは世界の富裕層の財産、場所、状態を毎年分析してレポートを出版している。プロットは世界の5億ドル(6千億円)以上の超富裕層の国別人数の分布を表している。
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分布の中で突出しているのは1,830人の米国で、第2位の中国(490人)の4倍以上である。なおここでは香港(320人)を別にしているので、両者を合計しても810人となり米国の半分以下である。の倍以上引き離している。ドイツは490人で3位、日本は390人。スイスは250人となるが、もちろんそれは悪名高いプライベートバンキングが支えている。
可視化して気づくことは、超富裕層が北米、アジア、ヨーロッパの3大陸に集中していることである。これらの大陸は超富豪を優遇しているのだろうか。統計では超富裕者の100人以上がいる国は、ほとんどが法の支配を持つ民主主義で、非民主主義となる例外は中国とロシアの2国のみである。天然資源の豊富なサウジアラビアやアラブ首長国連邦などの国々も富裕層が多い下地があるものの、王族に限られ富は共有されていない。
下に個人財産として5億ドル以上を持つ人口ランキングの上位10カ国分を示す。大雑把にいえば1%の富裕層がそれ以外の99%の総資産を上回っている。米国の一人勝ち状態が続いているが、そのことは逆に格差が生み出す不幸も際立つことを意味している。
1. U.S. (North America): 1,830
2. China (mainland) (Asia): 490
3. Germany (Europe): 430
4. Japan (Asia): 390 p
5. Hong Kong (China) (Asia): 320
6. Canada (North America): 270
7. Switzerland (Europe): 250
8. France (Europe): 230
9. Russia (Russia): 220
10. U.K. (Europe): 220
別の統計(World UltraWealthReport 2017)では時価総額3千万ドル(36億円)以上の資産家の住む国ランキング(2016年)でも上位の順位は同様の結果である。
1. U.S. (North America): 73,110 (人)
2. Japa: 16,740
3. China: 16,040
4. Germany: 13,420
5. U.K.: 8,860
6. France: 8,630
7. Canada: 8,590
8. Hong Kong: 7,650
9. Switzerland: 5,940
10. Italy: 5,530
ちなみにでは都市別では1位はニューヨーク、2位が香港、3位に東京、ロンドン、パリが5位、6位で、上海や北京はない。
富の格差は広がるばかりだが、偏りの大きい国や都市ではその代償も大きい。犯罪率や暴動件数でみれば、日本の際立った低い格差は国民の厚生・安全な生活を支えている。富の格差でトップを走る米国は社会問題や厚生に信仰な問題を抱えている。環境の安全性や国民の健康に目をつぶり、富を追求する米国型経済モデル(グローバリズム)の代償が高いことを認識するべきなのだろう。今世界中で、行きすぎたグローバリズムへの反省が新たな政治潮流を生み出している。