北米に飛び火した新型ウイルスの脅威

27.01.2016

Photo: tvjurere

 

アーカンソー州とヴァージニア州でZikaウイルス感染者が見つかったことで、南米とメキシコで感染が広がっている新種ウイルスが北米出も感染者が確認された。ヴァージニア州の患者は海外渡航経験があった。冬で媒介する蚊が生息できないため感染拡大の恐れはないが、暖かい気候の外国に旅行する場合の注意が必要である。

 

CDCによればヴァージン諸島とドミニカへの渡航には警戒が必要としている。Zikaウイルスの起源は1940年代のアフリカであったが20055月にブラジルで見つかったのち中央アメリカ、南アメリカの20カ国に広まった。Zikaウイルスは蚊を媒介で感染するため旅行者は蚊対策の必要があるが、ヒトからヒトへの直接感染はない。

 

 

Source: Repeating Islands

 

ウイルス感染の症状は発熱、発疹、皮膚の痛みと目が充血しかゆくなることだが感染しても症状の出ない人もいる。妊婦が感染すると様々な発育障害をもたらすリスクが高い。

 

ブラジルだけでZikaウイルスに感染した新生児は4,000人に上るが深刻な小頭症などの脳発育障害が報告されている。現在のワクチンは開発されていない。北米でZikaウイルスが見つかったのは今回が初めてではなく2007年に露光者が持ち込んだものであった。

 

Scientific Americanによればそれ以降の旅行者の感染は12か国に旅行した20数人であったが、南米の感染の広がりで夏場に北米での感染の拡大が懸念される。

 

オリンピックを控えたブラジル政府はZikaウイルスの感染の広がりを食い止めようと、20,000人の陸軍兵士を投入し。家々を回って注意を呼びかけたり消毒作業を行っている。

 

またこれとは別にブラジル政府は妊婦40,000人に殺虫剤を配り蚊の駆除に努めている。また米国政府はブラジルへの妊婦に注意を呼びかけている。欧州で見つかった感染者は南米に旅行した際に感染したとみられている。

 

ブラジルの小頭症の新生児はこれまでおよそ160例であったが、10月から既に3,893例が報告されている。専門家の予想ではブラジルのZikaウイルス感染者は150万人に上るとされる。

 

ブラジル国内のZikaウイルス感染者は2014年W杯の際のフランス領ポリネシアから持ち込まれたとみられる。コロンビアはブラジルに次いで感染者が多く13,500人に上るが最終的には700,000人が感染の恐れがある。その他にも太平洋の島々や東南アジアでも感染者が見つかっている。