金融危機-Global Economic Crisis

ドイツ銀行のCDS売却は破綻の前兆か

世界4位の総資産を持つドイツ銀行の破綻危機は、2013年から懸念されてきた。世界最大のデリバティブを保有していることから、破綻すればリーマン・ショック以上の金融危機、世界規模の恐慌を引き起こす可能性が高いと考えられる。そのため今回明らかとなった、ドイツ銀行によるデリバティブの一部の売却は注目される。

不況に陥っている米国経済

米クリーブランド連銀のメスター総裁に続き、フィッシャーFRB副議長も米経済が堅調であり、情勢悪化の証拠がない限り、年内利上げを続けることは可能との見方を示した。しかし、政府発表の主要経済指標に反する証拠、経済が悪化しており、米経済は既に不況に入っていることを示す数々の統計がある。

欧州発の金融危機–高まる銀行破綻リスク

欧州で最も経済が堅調と言われてきたドイツの最大手銀行、ドイツ銀行の株価は20162月8日に9.5%下げた。年明けからの株価下落率は36%で、2008年のリーマンショック以来の株安水準まで下がり、時価総額は純資産の30%にまで減少した。

世界同時株安は金融システム崩壊の予兆

日経平均株価は9日に5.4%下落に続き、10日に2.3%12日に4.8%下げた。2008年のリーマンショック後の最高値から28.23%下げている。債券市場では、10年国債の利回りはG7国では初めてマイナス0.035%まで低下、新発5年国債もマイナス0.260%と過去最低水準をつけた。日本経済は景気後退期に入っているにも関わらず、為替は円高に向かっている。

バブル崩壊のリスクが現実となる2016年

FRBと共に世界の中央銀行がとった異例な金融緩和政策がもたらした国際的な資産バブルが、今崩壊に向かっている。2001年のITバブルと2008年のサブプライムバブルは、その前の年に実施した金利の利上げと高金利維持の政策が、バブル崩壊の引き金となった。昨年12月に実施した0.25%の利上げ。2016年は「資産バブルの崩壊の年」と多くのエコノミストは提唱している。

ベイルイン導入を巡り加盟国を訴えるEU

6月に欧州連合 (EU) は、加盟国のうち11カ国に金融機関の再生・破綻処理の際の「ベイルイン」を導入するよう警告を出した。それから4ヶ月、EUはオランダ、ルクセンブルク、ポーランド、スェーデン、ルーマニア、チェコ共和国など6カ国を「ベイルイン」制度の導入拒否で、欧州司法裁判所に訴えた。

中国政府が容認した元安

中国の人民元は1.9% (11日)の切り下げを実施した。中国人民銀行は1回限りの「一時的措置」、「為替レートの調整」と発表したが、翌日人民元は1.62% (12日)下げ、 2日間で実に3.5%の切り下げとなった。しかし、元安は止まらず、13日にはさらに1.1%下げ、3日連続で4.6%の切り下げとなり、2011年7月の水準、1ドル6.4010人民元まで元安が進んだ。

ギリシャ債務危機とドイツの決断−IMF債務報告書の意味

7月2日にIMFはギリシャ債務の持続可能性を分析した報告書を発表した。報告書によると、債務団による大規模な債務削減がない限り、ギリシャ債務は持続可能にならないと指摘した。さらに、EUと ECBによるギリシャ債務危機の対応の失敗、現スィリザ (左派政党:Syriza)政権の政策の変更、債務交渉や構造改革の遅れが債務問題の悪化となったと批判した

中国の株式証拠金債務が過去最高に  

中国経済の成長率が7%と6年ぶりの低水準であったにもかかわらず、中国株式市場は高騰を続けている。上海総合指数は7年ぶりの高値更新となっている。各経済指標をみても、景気の減速は明らかであるが、株価は景気と連動して動いていない。

経済不快指数でみる世界情勢

国の政治的安定は、その国のインフレ率、失業率、金利と一人当たりのGDPの動向によって左右される。特に、インフレ率と失業率の上昇は国民の不満の上昇につながり、深刻になると政権の維持が困難となり、社会の崩壊を招く恐れさえでてくる。その兆しが世界中の多くの国で見え始めている。

米国不況を示す連銀製造業景況指数

米国には連邦準備区が12あり、各連銀の管轄地域の製造活動を示す製造景況指数を毎月発表している。その中でもエンパイア・ステート、フィラデルフィア、テキサス、リッチモンドなどの連銀製造業景況指数を米国全体の景気先行指数としてみると、米国がすでに不況に入ったことがわかる。米2月のリッチモンド連銀製造業景況指数は分岐点割れに転じ、1月の2からマイナス4となった

世界の金融危機を引き起こす「第3の波」

米投資銀行のゴールドマン・サックスは、2008年に起きたリーマンショックによる金融危機は終わることなく、未だに続いており、今後世界的な「金融危機の第3の波」が押し寄せているとするレポートを発表した。ゼロ金利政策を実施してきた各国中央銀行とその制度を活用してあらゆる資産価格バブルを引き起こし、高収益といった恩恵を受けてきたはずの投資銀行が次の金融危機の警告を発した

オーバーストック・ドット・コム社会長であるジョナサン・ジョンソンは、バブル景気とバブル崩壊を繰り返し引き起こすウォール街と不換紙幣システムを長年批判してきたことで有名である。さらに、注目を浴びているのが、次の金融危機に備えての準備である。

公式発表の18兆ドルを遥かに超える米国債務

アメリカは1962年以降債務上限引上げを74回も行ってきた。今回75回目となる債務上限引上げは18.5兆ドルから20兆ドルで、20173 月までの期間である。その債務額に関して、ウェーカー元会計検査院長は政府公式発表よりはるかに巨額である65兆ドルであると発言した。

連邦準備銀行(FRB)

連邦準備銀行(FRB)は一般には誤解が多い。アメリカの中央銀行は制度的には「連邦準備制度」と呼ぶ。中央銀行といえば独立権を持つにしても公的な機関のイメージだが、FRBは完全に私的な機関であり、その証拠には電話帳の官公庁のページに記載はない。

アメリカの失業率の現実

米労働省が発表した9月の雇用統計によると、失業率は5.9%、6年2ヶ月ぶりの5%台にまで改善された。だが、この数字は決して、米国経済の回復を反映したものではない。政府は失業率の低下は景気回復による就業者数の拡大、つまり雇用情勢の改善の傾向にあると主張した。

 金・銀を法定通貨とする州政府

米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和の金融政策への不信感、ドルの通貨価値の低下と下落の懸念を背景に、アメリカでドルを信用するより、金・銀を法定通貨とする動きが多くの州で拡大している。

米国連邦債務時計の謎 

日本の借金時計は1010兆9772億円3982万円(4月28日20:00時点)と増え続けている。1秒ごとに政府債務残高が拡大していく米国の債務時計の債務残高の表示は4月23日までの40日間、18兆1129億ドルに凍結されていた。

FRBの監査を求める動きが強まる

 米国の金融政策の策定と実施, そうして世界各国の金融政策に大きく影響を及ぼす米国連邦準備制度理事会(FRB)は、設立以降一度も外部監査を受けたことがない民間金融機関である。今、そのFRBに対する監査を求める動きが再び強まっている。

守られない米国債務上限

2014年2月に連邦債務上限の適用を停止する法案により、債務不履行を回避することができたが、その法案の適用も2015年3月までである。一年を振り返ってみると、米国債務の状況は改善されるどころか、歴史上初めて18兆ドルを超えたのである。

金に注目し始めた中央銀行

4月17日にワシントンで予定されている極秘朝食会議で、特定の中央銀行と公的機関の代表が金に関しての議論を行うとされる。

金の回収を急ぐ理由

先週ドイツ国民にとって、驚く事が隣国で起きた。ドイツが試みて失敗した金回収をオランダが実行したのである。ニューヨーク連銀に保管している金を本国に移管したオランダの動きは、他の国にも連鎖する可能性が高い。

インフレの世界

40歳前の日本人は、20%インフレと9%金利、1ドル360円の時代を全く知らない。30歳以下の世代は0かマイナスインフレと0金利の世界しか知らない。不健全な経済がこれほど長く続いたのは、改めて驚きである。

日銀による追加金融緩和の可能性

米国メディアは、10月には日銀の追加金融緩和の実施の可能性が高いことを報道している。きっかけは、自民党の山本幸三衆院議員が米ブルームバーグのインタビューで、1030日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切るべきだと述べたことである

ギリシャはキプロスのデジャヴなのか

ギリシャは金融支援の条件として求められている財政緊縮策の合意案についての賛否を問う国民投票を7月5日に実施する。しかし期限の6月30日のIMFへの返済はできず、デフォルト(債務不履行)は確実となった。

現金廃止に動き始めたドイツ

ドイツ金融当局は犯罪防止策の一貫と題して、5,000ユーロ(約65万円)以上の現金決済の禁止と500ユーロ紙幣の廃止の検討を始めた。先進国で最も現金支払いを好む国民に対して、一種の資本規制とも言える、キャッシュレス化への一歩を進めることになる。

「ベイルイン」元年となる2016

2015年はEUが加盟国に、金融機関の再生・破綻処理の際の「ベイルイン」制度の導入を訴えてきた年であった。12月末には、全加盟国で導入が終了、201611日をもって、全てのヨーロッパの銀行で「ベイルイン」制度が発動される。次の金融危機の際に、金融機関の破綻処理にヨーロッパでは、公的資金ではなく「ベイルイン」制度が活用され、世界中の銀行で活用されるためのテストランとなる

中国の株価暴落と実体経済

上海株式市場が27日に急落、市場の値動きを表す上海総合指数は 8.48%と8年5カ月ぶりの大幅な下落をみせた。工業部門企業利益は4月の前年同月比2.6%増と5月の0.6%増から一変して6月は0.3%減とマイナスに転じた。製造業におけるデフレが深刻化しており、価格の下落が企業利益の低迷となっている

中国株価暴落と1929年のウォール街大暴落

中国の株価は一年間で150%上昇した後、3週間で35%も下落した。中国政府の株価暴落防止策は一時的に市場に安定をもたらしたが、中国株バブルの崩壊は避けられない状況にあるのではないかと考えられる。株価動向は1929年のウォール街大暴落との類以性がある。

EUがベイルイン導入を11カ国に警告

欧州連合(EU)は、加盟国にうち金融機関の再生・破綻処理の為の「ベイルイン」の導入を実施していない11カ国に警告をだした。最大で2ヶ月以内に導入しなければ、欧州司法裁判所による執行命令の発動に動くとしている。場合によってはEU除外も辞さないと警告している。

世界最大の米国債保有国となる日本

中国と日本は米国にとって、最大の対米債権国である。2008年のリーマンショック以降、中国は世界最大の米国債の保有国であった。だが、ここに来て、対米債権国の間で変化が見られるようになった。

スイスフラン上限撤廃—ユーロ崩壊ドミノとなるか

1月22日に開催されるECB(欧州中央銀行)政策理事会で量的緩和の追加策が決定される可能性が高いと言われている中、スイス国立銀行は、15日にユーロ対スイスフラン(SFr)為替相場の上限を突然撤廃した。

米国で100ドル札が廃止となるか

ECB15日に500ユーロ紙幣の廃止を決めた翌日の16日に、米クリントン政権下で財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏は、ワシントン・ポスト紙に「100ドル札を廃止する時がきた」と題する記事を掲載した。米国で現金廃止を提唱するには、最適なタイミングである。欧州に続き米国、その先に日本での高額紙幣、1万円札の廃止に動き出す可能性が高くなった。

急増するホームレスに悩む米国

ロサンゼルス、ワシントン、シアトルなど人口密度の高い大都市では、ストリート生活者が増大しているが、中でも黒人の多いワシントンは最悪の状況にある。2015年一年間でワシントンのホームレス人口は28%、住所不定の家族は60%増加したため、支援食料需要が27%増加。そのためホームレス用避難所と食料の確保に苦労しているが、増大するホームレスに対応しきれないでいる

FOMC信用度の低下、マイナス金利とQE4

ゼロ金利と金融緩和政策を2006年に始めてから80ヶ月、56回目の連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げを見送った。利上げを見送ったことで株価は下がり、米ドル安を招いた

米雇用統計の不都合な真実

ドナルド・トランプの「失業率は20%ではないか」の発言は、米国労働省が発表した5.1%より現実味のある数字である。メディアは失業率と前月比雇用者数の増減に注目を置くが、失業率の数字は、統計上に問題があり、米国経済の実体を正確に反映していない。

米株価バブルを警告するシラー教授

2013年ノーベル経済学賞の受賞者である、イエール大学のロバート・シラー教授は米国株価が投機的バブル状態にあると警告を発した。警告の根拠となるのが、シラー教授が考案した株価の割高感を示す投資指標のCAPE指数(シラーPER)が高いことにある。

デスクロスの出現は米株式暴落の予兆

デスクロスは株価が下げ相場に転じたことを示す。米国株式では次々とデスクロスが出現している。アップル社を含めて、実にS&P 500の263銘柄、約53%にデスクロスが形成しているのである。つまり、今後S&P 500は長期的な下降方向に転じたことを意味する。

利上げ見送り、QE4の可能性

7年間続いた量的金融緩和のQE1, QE2, QE3は2014年10月に終了した。21日の株価下落により、S&P 500は2000を割り込み、量的金融緩和QE3を終了した時につけたレベルを下回った。下落に歯止めをかけるには連邦銀行のQEの復活と金利利上げの延期政策しか残されていないが、果たしてQE 4に踏み切るのか?

米国フードスタンプの深刻さ

 NYダウが史上最高値を更新していることから、米国景気回復が期待されているが、現実は経済が2極化しており、1%以外のアメリカ社会の貧困化が加速している。この状況を反映しているのが、フードスタンプ受給者の増加である。

「若年層経済不快指数」でみるアメリカ

アメリカは「大きく変わる」との期待でオバマ政権が発足して6年。この間、国民の期待は裏切られた上、今では若者世代は最も厳しい経済環境におかれている。その深刻な状況と不満を反映して、「若年層経済不快指数」は最高水準に達した。

Cynkテクノロジーズ

SEC(米証券取引委員会)は711日に、あるIT企業の株式取引を一時停止した。会社のフォーム10-Q(株式公開企業がSECへの提出が要求されている四半期財務報告書)によると同社は、成長前の発展段階にあるソーシャルメディア企業と説明して

深刻化するニューヨーク市の格差

ニューヨークはアメリカの建国当時から様々な人種と階級の人々が集まる街である。格差はあったが、アメリカ・ドリームを達成できる可能性を与えてくれる街でもあった。しかし、それも変わりつつあり、落ち込んだら二度と這い上がれない人たちが増えた。

QEは失敗か、金は究極の貨幣

FRBは連邦公開市場委員会(FOMC)後、量的緩和の終了を正式に表明した。2012年に開始、米国債と住宅ローン担保証券を合わせて毎月850億ドル、総額3兆5000億ドル(約380兆円)を買い入れるプログラムの終了である。注目のニュースであったが、ほとんど報道されていないのが、FRBの発表数時間前に、米国の外交政策をほとんど決めている外交問題評議会の公聴会に呼ばれた、アラン・グリーンスパン元議長の発言である。

バルチック海運指数が示すデフレ不況

世界経済や商品価格の先行指標である、バルチック海運指数(Baltic Dry Index : BDI)の下げ止まりが見えてこない。実に、統計が始まった1985年以来、最も低い水準にある。世界の貿易量が激減しており、世界同時不況に向かっていることを示している。

預金が消える日

2008年のリーマン・ブラザーズ破綻による、金融機関の破綻危機から「大きすぎてつぶせない」銀行を救済するのに、各国は公的資金(ベイルアウト)を用いた。それから5年、銀行が今後破綻した場合に債権者を関与させる対策として「ベイルイン」と呼ばれる方法が初めて2013年にキプロスで実施された。キプロスの成功は1つのモデルケースとなり、今後、金融機関の破綻処理の祭、各国は「ベイルイン」を実施することになるであろう。