エボラ出血熱の経済コスト

Oct. 25, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西アフリカでエボラ出血熱の感染拡大に歯止めがかかる兆しは残念ながら見えない。感染国に与える経済損失は2014末までには、326億ドル、西アフリカGNPの3.3%に匹敵すると世界銀行は予測している。だが、アメリカの初感染者Duncan氏の治療にかかった医療コストは、病院によっては、存続の危機になるほどの額であった。



 アメリカCDCは、全米でエボラ感染者の治療が全米50カ所で可能とする体制をつくろうとしている。しかし、医療体制を整えるため、また感染者を治療するには莫大なコストがかかる。Duncan氏の治療にあたった、テキサス・ヘルス・プレズビテリアン病院では、病院が負担するコストは最大50万ドル(約5400万円)との見込み。1日の治療コストは、約18,000から24,000ドル(約192.6万から256.8万円)と推計される。Duncan氏は、リベリアから観光ビザでアメリカに滞在中に入院、医療保険がないため、病院は費用を回収できる可能性はないとされている。



 Duncan氏の治療において、人口呼吸器、腎臓透析、輸血、補液、血圧を維持するための薬剤投与、実験的新薬の投与などがあったとされる。医師、看護師を含め70人の医療チームで治療にあたっていた。感染症の患者は基本的に陰圧室が設置された隔離病棟で治療を受けるが、その費用は1日当たり平均約8,176ドル(約87万円)と高い。医療関係者を保護するための完全防御ハズマット服も費用は高い。さらに、エボラ患者であったため、病院の一部閉鎖、通常の外来の一部、医療スタッフの不足による、緊急外来の受け入れが停止となったのである。


 さらに、今後問題となるのが、エボラウイルスに感染された廃棄物の処理である。治療にあった9日間でトラック6台分の廃棄物がでており、その廃棄物の処分場の受け入れが見つからないのである。処分場が住民の反対もあり、受け入の拒否をしているのである。


 

 複数のエボラ感染者がでた場合、医療体制と医療負担は全ての医療機関が負担できるものではない。国、病院、地域に与える負担は大きい。感染者の拡大を止める対策を強化し、医療機関が感染者の治療を行う、経済的コストを含め、体制を整えることが重要となる。