エアバスに収賄容疑で罰金8100万ユーロ

12.02.2018

Photo: in-cyprus

 

 エアバス社は2003年のオーストリアへのユーロファイター多用途戦闘機販売をめぐる賄賂容疑を認め、8100万ユーロ(~9900万ドル)の罰金の支払いに応じた。ドイツ検察当局によると、捜査ではエアバス社が有利になるような契約の直接的な汚職の証拠はないとしたが、(賄賂と見られる)多額の使途不明金について経営幹部の責任を追求した。

 

 エアバス社は公式に収賄の事実を認めないまま、2012年から開始されている捜査に終止符を打つべく、罰金の支払いを受け入れた。一方、オーストラリア当局は総額11億ユーロに及ぶ18機のユーロファイター多用途戦闘機の購入時の賄賂についての捜査を継続している。

 

 オーストリア検察当局はエアバス社(旧EADS防衛部門)が購入交渉をオーストリア側と行ったとして追求している。ユーロファイタータイフーンは欧州防衛の要となる多用途戦闘機で、これまでにドイツ、英国、イタリア、オーストリア、スペイン、サウジアラビアへ配備されている。

 

 開発国むけの量産機は620機であるが、オーストリアへの18機に加えサウジアラビアが72機の導入が決まったほか、オマーン、クエート、ポーランド、リビア、ペルー、バーレーン、フインランドが採用決定あるいは検討中である。日本のステルス戦闘機F35A導入の際には、導入が検討された。

 

 ユーロファイターはドイツ、スペイン、英国、イタリアのコンソーシアムで制作された新鋭多用途戦闘機だが、オーストリアへの売り込みを巡って2007年から87,600ユーロがロビー活動に支払われたとして捜査対象となっている。欧州統一の象徴であり軍事面での密接な連携や将来の欧州軍構想の要となる機体とされているが、独自開発の多用途戦闘機ラファールをもつフランスやグリペンを持つスエーデンは自国の戦闘機を配備している。

 

 2012年にオーストリアとドイツの検察が公務員への賄賂を巡って共同捜査を開始したが、今回の罰金支払いでも捜査終了時期をオーストリア検察当局は明らかにしていない。なお英国の汚職取り締まり当局も独自に捜査を開始している。捜査に協力する態度を見せているエアバス社自身が、汚職疑惑を認めたため昨年に再開された操作が長引けばエアバス社の民間機販売に損失を及ぼすと判断した。

 

 米国製のステルス戦闘機が高価であることや生産の遅れに悩まされている中で、ある程度のステルス性を持ちながら、柔軟な兵器システムと装備の多彩さでユーロタイフーンは積極的な販売攻勢をかけている。一方でエアバス社はボーイングと大型旅客機市場を二分し、こちらも熾烈な販売競争を繰り広げており、収賄疑惑が長引けば販売に影響がでるとの判断が働いた。