ビルダバーグ会議2018  Part 1

07.06.2018

Photo: steemi

 

 第66回のビルダバーグ会議2018は、67~11日までイタリアのトリノで開催される。イタリアでの開催は14年ぶりで、4回目となる。イタリアで初のポピュリスト、反 EUEU懐疑派新政権が発足して一週間、「エリート・グローバリスト」たちが集まって、欧州で勢いを増しているポピュリスムを議論するのには、皮肉にも最も相応しい場所となった。

 

参加者の特徴

 今回の会議には23カ国から131名が参加する。ビルダバーグ会議設立に関わり、多大な影響力を行使してきたデビード・ロックフェラー氏と日米欧三極員会の設立者で米国の外交政策を誘導してきたブレジンスキー氏が去年亡くなり、最も長い参加者は元国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏(95歳)のみとなった。

 

 2015年頃から、設立当初からの参加者の高齢化が目立っていたものの、世代交代が進み、参加者、参加企業、会議の議題も変化をみせている。

 

 2014年から IT技術革新や人工知能研究がビルダバーグ会議の重要課題となって以来、その関連企業の参加が増えている。今回の注目はペイパル(PayPal)創立者で、シリコンバレーで多大な影響力を持つピーター・ティール氏がビルダバーグ会議の運営委員会のメンバーとなっていることである。ハイテク企業からの代表の運営委員会入りは初めてとなる。

 

 ビルダバーグ会議3年連続でシリコンバレーから参加するのが、 グーグルとそのグループ企業 (Jigsaw, DeepMind)の他、ビジネス特化SNSLinkedin、ピーター・ティール氏が創立したビッグデータの収集・管理・分析企業のPalantir Technologiesである。複数のIT企業向けの投資ファンドが参加していることから、今後のITや人工知能開発への投資が検討されると思われる。

 

 金融界からは、前イスラエル銀行総裁、米連邦準備理事会の副議長を201710月に辞任したスタンレー・フィッシャー氏、現イングランド銀行総裁のマーク・カーニー氏、イタリア銀行副総裁、スペイン最大の商業銀行のサンタンデール銀行会長、ゴールドマン・サックス・インターナショナル会長で欧州委員会元委員長、スェーデンの主要銀行のスカンジナビスカ・エンスキルダ・バンケン総裁、ドイツ銀行監査役会の会長などが参加。欧州のなかで、次の金融危機リスクが高いイタリアとスペイン、ドイツ銀行からの代表、米英からは前と現職の中央銀行総裁など、注目を集める参加者リストである。

 

政治界からのニュー・リーダー

 参加予定の政治家の間では、ドイツの現職国防大臣のウルズラ・フォン・デア・ライエン氏の参加が注目される。ウルズラ・フォン・デア・ライエン氏(59歳)は、メルケル首相が率いるCDU(キリスト教民主同盟)のなかでも主要ポストの経験者で、ドイツ国民支持が低いメルケル首相の次の有力総裁候補とされている。

 

 米国からはコロラド州知事のジョン・ライト・ヒッケンルーパー氏の初参加がある。2020年の大統領選で2期目を狙うトランプ大統領の対抗候補者としての可能性がでてきた人物である。全米の指名度は低いが、ビルダバーグでの支持を集めれば、マスコミからの支持が得られることから、注目が向けられる。

 

 セルビアのアナ・ブルナビ首相の招待も、グローバリストたちの次の世代のリーダーへの関心の高さを示している。セルビアは2025年にEU加盟国入りを目指している。

 

 ビルダバーグ会議に参加する世界で影響力と資金力をもつ多国籍企業CEO、金融機関代表、政治家や政府関係者、メディア、学者の他に、今回はダボス会議(世界経済フォーラム)の会長、NATO事務総長、UNESCO総長の他、バチカン国務長官のピエトロ・パロリン枢機卿が参加を表明している。世界におけるグローバリズムの動向、移民政策、欧州におけるイスラム教の拡大などが議論されると考えられている。

 

会議議題

 公表されている会議議題には以下が含まれている。

 

⒈ 欧州におけるポピュリズム

⒉ 格差問題

⒊ 将来の働き方

⒋ 人工知能

⒌ 中間選挙前のアメリカ

⒍ 自由貿易

⒎ 世界のリーダーとしてのアメリカ

⒏ ロシア

⒐ 量子コンピューティング

10 サウジアラビアとイラン

11 「ポスト真実」の世界

12 時事問題

 

 

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