バイエルのモンサント買収で化学・農業独占企業が誕生

10.04.2018

Photo: timesunion

 

バイエル社とモンサント社の合併は文字通り世界を支配する化学、種子と農薬のセット販売で世界を支配する巨大企業が誕生する。時価総額42億ドルとされるモンサントの買収はバイエル社は独占禁止法に抵触する可能性があり、合併への道は険しいと思われていた。

 

EUは先月、バイエル、モンサント両社が60億ユーロの資産売却を条件に合併を承認した。これに続いて米国の独占禁止法当局はバイエル社に種子や種子処理技術の資産売却し農業関連資産の調整を条件に、モンサント社買収を認可した。農家と環境保護団体は強く反対していた両社の合併は、資産整理を条件に米国でも承認されることが報道されると株価は6.5%上昇した。

 

EUは時価総額660億ドルの世界最大の特許農薬と種子販売企業の合併に昨年8月から詳細な調査を行った。28カ国の加盟国の農業関係者を保護する欧州委員会の反トラスト規制当局は、今回の合併は農家の主要製品の競争力を低減する可能性があるとの懸念を持っていた。環境保護団体もGMO種子と特許農薬のセット販売で悪名高いモンサント社の合併に強く反対している。

 

バイエル社はこのため作物種子部門と特許農薬グリフォセート事業をBASFに59億ユーロで売却する条件を認めた。バイエル社CEOのハウマン氏によれば欧州委員会が両者の合併を認めたため、第2四半期中に合併が完了する見込みとなった。2社は合併によって農薬の世界市場の28%を手にすることになり、米国のトウモロコシ、大豆生産業社は強い影響を受ける。

 

貿易戦争の標的となっている食料である大豆やトウモロコシの生産量は世界経済に強い影響を与える。バイエル社は雇用創出面でのメリットを強調するが環境保護団体と特許農薬購入を強いられる農家の反対が強まる。一方で中国当局は農業コスト削減に結びつくとして両社の合併を歓迎している。

 

日本でも種子法の改正が予定されている。種子と農薬はGMO植物育成で一体化せざるを得ないことを考えると大きな転換点に来ていることを認識しなければならないだろう。

 

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