隕石でできていたツタンカーメンのナイフ

05.06.2016

Photo: minig.com

 

ツタンカーメンのミイラのそばに埋葬品として置かれた短剣の刃先が隕石でできていたことがわかった。エジプトの砂漠でツタンカーメン王のミイラの発掘されたのは、およそ100年以上も前のことであるが、埋葬品として傍に置かれていた短剣の刃が隕石でできていたことがわかった。

 

短剣は精巧に加工されて黄金の鞘に収められていたが、刃先は地球上に存在しない物質、隕石を加工したものであった。エジプトのカイロの考古学博物館の研究者が走査型X線イメージングで組成を分析した結果、明らかとなった

 

研究チームは2000年にジプトのアレキサンドリアから240kmh離れた場所でエ発見された隕石と短剣の刃の組成分析を行いそれらが一致することを発見した。ツタンカーメンの短剣は墓から発見された埋葬品の中でも特に貴重なもので石棺の中に埋葬品として置かれていた。

 

このことから古代エジプト人たちが隕石に独特な希少価値を見出していたことが推測できる。また短剣自身が精度が高いことから鉄を扱う高度な技術を持っていたこともわかった。短剣の長さは34.2cmでミイラのすぐ傍に置かれていた。鉄の短剣は紀元前1400年からの記述によると王家の贈答品であったという。

 

 

紀元前3200年頃のエジプト初期のものとされるビーズも隕石を加工したものであることも明らかになった。紀元前13世紀のエジプト人たちは隕石の主成分である鉄が宇宙から来たものであることを意識していたと考えられる。