T I M E L I N E

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カタロニア独立を阻止するスペイン政府

スペイン政府は10月1日に実施予定のカタロニアの分離独立を問う住民投票を憲法違反として認めていない。住民投票の実施を阻止する目的で、20日スペイン警察はカタロニア州政府各省庁の家宅捜査を強行、14人の政府官僚を逮捕し、カタロニア州に非常事態宣言を発動した。

Sep. 21, 2017

下落トレンドが続く米ドル

米ドル指数先物(ドルインデックス)(注1)は19日に一時91.77をつけた。1月に今年の最高値103.82をつけたが、8月には今年の最低値の90.99をつけ、12.36% 下落した。米ドルは1985年以降、下落トレンドを続けており、これまでこのトレンドを覆すことができず、米ドルは下落を続けてきた。

Sep. 19, 2017

アップル、DELLが東芝半導体買収に参入

6月に米ファンドのベイン・キャピタルは日本政策投資銀行、産業革新機構と日米連合の枠組み(コンソーシアム)をつくり、東芝の半導体メモリー事業の買収に乗り出下が交渉は難航しWD陣営との交渉を経て、再び東芝との交渉に臨。ベイン・キャピタルは東芝側にアップル、DELLを含む広範囲の投資企業リストを提示して、連携戦略の強化をはかり9月いっぱいで決着をつけるとしている。

Sep. 18, 2017

ロンドンがテロ厳戒態勢に

英国政府は915日のロンドンの地下鉄爆弾テロで29人が負傷した事件を重く見て厳戒態勢を最大レベルに引き上げた。メイ首相はテロ活動が継続する恐れがあるとして15日、一般国民がたちらない最重要地域では(警察の代わりに)軍隊が警戒に当たる厳戒態勢を宣言した。

Sep. 16, 2017

米国の一時的債務上限引き上げ

98日にアメリカの法的債務上限(198,400ドル)が一時的に引き上げられたため、政府債務残高は初めて20兆ドル(約2,190兆円)を超えた。現時点では201,650億ドルを超え、増加を続けている。128日には新たに債務上限枠を引き上げが必要となるため、再び議会での政争は必至である。

Sep. 13, 2017

英国の風力発電コストが原子力を下回る

再生可能エネルギーによる電力コストが原子力を下回ることはないというのが原発推進派の根拠だった。英国のヨークシャー州に建設が予定されている新規風力発電所の入札でビジネス・エネルギー・産業戦略省は沖合風力発電のコストがヒンクリー・ポイント原発を初めて下回ったと発表した。

Sep. 11, 2017

中国が国策でEV 化を急ぐ理由

ドイツ、英国とフランスは2040年までに、内燃機関(ICE)車の販売を禁止する。欧州諸国の市場規模は小さいが、世界最大の自動車市場である中国がディーゼルとガソリン(ICE)車の販売の中止を検討しているとなったら、EV化の影響は世界の自動車産業に及ぶ。

Sep. 11, 2017

巨大ハリケーンでフロリダ原発が危機的状況

米国フロリダに接近中のハリケーン「イルマ」の影響で海水が浸入する恐れのあるため、電力会社はセントルーシーとターキーポイントの原子炉を停止した。海水の侵入で電源設備が使えなくなれば全電源喪失に陥ることを警戒しての措置だが、ターキーポイントは周囲の冷却水用運河による環境汚染のリスクを抱える。

Sep. 08, 2017

再び米国を襲う巨大ハリケーン 

カテゴリー3(最大の5)の勢力でカリブ諸国に接近していたハリケーン「イルマ(Irma)」は4日にはカテゴリー4、5日には最大のカテゴリー5に拡大し、今後北上してフロリダ州を直撃する可能性が高くなった。

Sep. 06, 2017

中国の北朝鮮への侵攻の可能性

米国防情報局(DIA)の北朝鮮関連の情報を扱う専門部局の高官によれば、米中は北朝鮮の弾道ミサイルが核兵器を搭載したかどうかの評価を急いでおり、弾道ミサイルの核装備が確認されたのち、中国が国境を越えて北朝鮮へ侵攻する計画を両国が合意する可能性がある。

Sep. 05, 2017

核兵器開発の最終段階に到達した北朝鮮

北朝鮮は9月3日、核開発の最終段階となる熱核反応爆弾(水爆)の地下核実験を行った。韓国気象台が核実験によるM5.3の人工地震波を観測、気象庁の発表では地震の規模がM6.1で爆発の規模は50-100kトンと推定される。5回目の核実験の規模10kトンであったが今回の爆発規模は水爆で予想される100kトンの規模と矛盾しない。

Sep. 03, 2017

米債券市場の不正操作で数兆ドル規模の訴訟

米司法省は20156月から、米債券市場を不正操作しているとして、23の金融機関を対象に犯罪捜査を行っている。捜査の対象は米国債入札を巡り、入札を不正操作したゴールドマンサックスである。ゴールドマンサックスに続いて複数の投資家による金融機関に対する数兆ドル規模の訴訟も起こされた。今後金融機関や米債券市場への不信感が高まっていくことは必至である。

Aug. 31, 2017

北朝鮮が次の核実験で目指すもの

核兵器開発が加速していることと2016年の建国記念日(9月9日)に北朝鮮が5回目の核実験を行ったことを考慮すると、今年の9月9日に核実験を行う可能性は否定できない。韓国情報局は議会に北朝鮮は6回目の核実験の準備に入ったことを伝えた。豊渓里(プンゲリ)核実験場のトンネル4は工事中だが、トンネル2と3は核実験の準備を完了したとしている。

Aug. 30, 2017

フォート・ノックスに保管されている金をめぐる疑惑 

米ドルの金本位制が廃止されて43年。米国が保有する金は世界最多の8,133トンで、金塊が保管されているのがケンタッキ州のフォート・ノックス陸軍基地内とウエストポイントにある財務省管理の金塊保管庫とニューヨーク連銀地下金庫の3カ所である。そのフォート・ノックスを21日に現財務長官のスティーヴン・マヌーチン氏が突然訪れた。

Aug.27,2017

巨大ハリケーンの災害対策で露呈する危機管理の甘さ

8月25日夜にカテゴリー4の巨大ハリケーン(ハービー)が上陸して被害を受けたコーパス・クリステイはメキシコ湾に面した港湾都市である。人口約28万人のこの街を襲った巨大ハリケーンは過去にもあった。1919年の巨大ハリケーンの被害は街全体を壊滅させ死者200人、行方不明500人という犠牲者が出た。それから復興を遂げ発展したコーパス・クリステイを再びハーデイが襲った。

Aug. 28, 2017

米海軍艦船衝突事故にサイバー攻撃の疑い

米海軍の第7艦隊イージス駆逐艦ジョン・S・マケインが、シンガポール沖のマラッカ海峡で石油タンカーとの衝突事故は、今年に入って3件目、1年間で4件目の衝突事故となる。第7艦隊にとって、高度な技術を搭載しているイージス艦だけに、米海軍は全艦艇を対象に安全確認のための数日間の運用の一時停止を命じたが、「GPSスプーフイング」と呼ばれるサイバー攻撃の可能性も指摘されている。

Aug. 22, 2017

マイナス金利政策が具体化する可能性

前世界銀行のチーフ・エコノミストで現ハーバード大学教授のケネス・ロゴフ氏は最新の論文で、次の不況又は金融危機時には中央銀行が取れる最も有効な金融政策はマイナス金利政策で、その導入を可能とする条件、法整備を今から整えることの必要性を主張している。

Aug. 18, 2017

急増するロシアの仮想通貨マイニングビジネス

ロシアでは仮想通貨のマイニング(採掘)を行う若者が増えている。数学とプログラミングに秀でた若者層が熱いロシアならではの背景があるが、彼らは現在流通している通貨(システム)がやがては、仮想通貨に置き換えられると考えている。

Aug. 17, 2017

EV化で電力不足が深刻に~2040年までに原発10基分

EV化へのシフトにある背景は国により様々であるが、英国の場合にはGDP1%に匹敵する健康被害がある。この問題は世界中で加速する都市化を鈍化することにもなりかねない。英国の環境相マイケル・ゴブ氏は健康被害の廃絶のためにICE廃絶以外の道はないとする一方で、現在の発電能力のままは電力不足となるとしている。

Aug. 15, 2017

速報:北朝鮮にSLBM発射実験へ向けた新たな動き

8月11日、北朝鮮が潜水艦発射の核ミサイル開発が急ピッチで進んでいるとする北朝鮮の衛星イメージの分析結果を38 Northが公表した。世界の関心は北朝鮮がグアム島に向けて8月中旬以降に発射する見られる中距離弾道ミサイル(火星12)と米国の対応にある中で、陽動作戦ともとれる潜水艦発射の核ミサイル開発が進行している事実が明らかになった。

Aug. 12, 2017

米国が経済制裁を増加させる理由

米国は、世界で最も対外政策の一つとして経済・金融制裁を多く発動している国である。現在、財務省の外国資産管理室(OFAC)の管理下で発動している経済・金融制裁は19カ国を対象に全部で26件にのぼる。年々増える経済制裁は世界の超大国としてのアメリカの影響力の低下を反映しているとも言える。

Aug. 10, 2017

北朝鮮が標的をグアムに定める理由

北朝鮮は米国戦略爆撃機の基地で軍人人口の多いグアムを先制核攻撃を考慮していることを認めた。ニューヨークポスト紙によれば、北朝鮮の国営新聞は8月9日、北朝鮮がトランプ政権の対北戦略を挑発行為と受け止めこれに対抗するため、中距離弾道ミサイルでのグアム攻撃を考慮していると述べた。

Aug. 09, 2017

米国債を買い支える巨大IT企業の思惑

2016年の11月から米国債の保有国の保有残高が増えている。米国債の売却が加速傾向にあったが、日本、ロシア、中国、サウジアラビアやBRICS諸国などによって再び買われている。米国債の保有の増加は、民間の米国企業の間でも増加傾向にある。特に、注目されるのがアップル社の526億ドル相当(5.8兆円)の保有残高である。

Aug. 07, 2017

デイーゼル車の将来をドイツ政府とメーカーが協議

デイーゼル車の排ガスによる健康被害が無視できないことが認識されるようになり、VW以外の大手メーカー(ダイムラー・ベンツ、BMW)に波及したデイーゼルゲート問題、大手3社のカルテル疑惑と不祥事が続いた。このためデイーゼル車の将来の廃止へ向けて、7月3日にドイツの大手自動車メーカーの幹部は政府関係者とデイーゼルエンジンの将来について話し合う。

Aug. 03, 2017

銀行救済のため預金凍結を検討するEU

2017年に入り、金融機関の経営破綻の恐れなどによる信用不安から、預金者による取り付け騒ぎが起きないための措置がEU諸国の間で検討されてきた。6月のスペインの銀行バンコ・ポピュラールの取り付け騒ぎが、急速な流動性の悪化を招き、銀行の破綻を早めたことが、措置の早急導入の検討となっている。

Aug. 02, 2017

EVだけに未来を託せない理由

テスラEVの目覚しい躍進は欧州の大手自動車メーカーの本格参入を促すきっかけとなった。一方でデイーゼルゲートを契機にドイツ、フランス、英国では2030-2040年を目処に、法的規制で内燃機関(ICE)の廃止を目指す動きが活発化した。後者はやがてEU全体の流れとなるとみられ、磐石を誇ってきたICE社会にゲームチェンジャーが登場したかのような印象さえある。しかし一方ではEVに関しては賛否両論が渦巻き、EVの未来に懐疑的な見方が消えたわけではない。

July 30, 2017

対ロシア制裁で孤立を深める米国

ウクライナ問題で西側諸国が2014年に初めて対ロシア経済制裁を発動して以来、3回目の制裁延長が7月末に終了した。アメリカは25日にロシアが去年の大統領選に関与したとされる問題で、新たな制裁強化を科す法案を、上院に続き議会下院でも可決した。しかし、これまでロシアへの制裁に協調してきたEU(特にドイツ)は制裁への強い反対姿勢を表明し26日には、対ロシア経済制裁がEUのエネルギー投資を制限、ヨーロッパの企業や経済に影響を与えるとして、対抗措置を講じると警告している。

July 29, 2017

英国が2040年からデイーゼルとガソリンの販売を禁止

英国は大気中のNOxによる健康被害を認め2040年にICE (Internal Conbustion Engine)と呼ばれる内燃機関の自動車販売を禁止するとともに燃料(デイーゼルとガソリン)販売を禁止する。

July 27,21017

ドイツで広まる感染症の背景に移民問題

現在、ドイツ全土(ドイツに16ある連邦州のうち移民が最も少ないメクレンブルク-フォアボンメルン州を除いて)では、はしかが流行している。はしかだけでなく、先進国の欧米で撲滅されたと言われてきた感染症が再び発生している。その背景には、衛生や医療水準が低い、予防接種を受けたことがない移民の流入による感染症患者の増大が指摘されている。

July 25, 2017

ドイツ自動車メーカーにカルテル疑惑

スピーゲル紙によれば3大メーカーであるダイムラー・ベンツ、BMW、VWは3社が秘密の「作業部会」を通じて、生産コスト、部品供給会社、販売戦略などの(本来は秘密であるべき)重要な企業情報を共有していた。特に問題となるのは後にデイーゼルゲートに発展する排気ガス浄化に関する技術情報が共有されていたことである。

July 24, 2017

FRBバランスシートの正常化プランに疑問符

7月12日に米下院金融サービス委員会で、米FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長は、バランスシートの縮小を年内に実施する予定があることを明らかにした。25~26日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)で、2015年12月の政策金利の利上げ開始以降の5度目の引き上げとバランスシートの縮小の実施時期を発表するかが注目される。

July 22, 2017

カタロニアの独立を求める州民投票

スペイン政府はカタロニアの独立を求める国民投票を何としても阻止する構えだったが、州政府はついに2017年10月に実施が決まったことを発表し、スペイン政府との政治的、法的な抗争でスペイン内政の混迷が深まる。

July 21, 2017

メルセデス・ベンツが300万台リコール~デイーゼルゲート第2章

VW社の排ガス規制不正に端を発するデイーゼルゲートはメルセデス・ベンツ社の不正に焦点が移り、排ガス不正で調査中にある同社は7月18日に欧州の300万台以上のデイーゼル車を対象としたリコールを発表した。

July 19, 2017

不正医療で起訴される米国医療関係者

米国では、2007年頃から鎮痛剤の依存症や過重摂取による中毒死の増加が社会問題となっている。2015年には52000人、2016年には過去最高の59,000人が死亡している。この依存性の高いオピオイド系鎮痛剤を過剰に処方し、医療保険を利用して診療報酬を不正請求した詐欺容疑で医師、看護師や医療関係者計412人が起訴された。

July 15, 2017

暴徒化したG-20デモの背後にブラック・ブロック

7月7~8日にドイツ、ハンブルグで開催されたG-20で警官2万人が抗議デモ隊の警備にあたった。「地獄にようこそ」と銘打ったデモには、ヨーロッパ中からプロの極左集団、無政府主義者、反グローバリズム、反資本主義、反ファシズムなどを提唱する活動団体や環境保護団体が参加した。暴徒化した抗議デモは暴徒化、3日間続いた結果、警察官476人が負傷、186人が逮捕、225人が拘束された。

July 14, 2017

EV市場に参入するドイツ車メーカーの思惑と勝算

今年のパリ国際オートサロンではドイツ自動車メーカーが一斉に自社のバッテリー技術とコンセプトモデルをアピールし大競争時代の幕が切って落とされた。ポルシェ社はパナメーラPHV、BMWはi3のバッテリーアップグレードを発表したほか、GMドイツはOpelブランドで、Boltの欧州版Ampera-eを2017年から生産開始予定である。

July 12, 2017

米国景気後退を示す政府歳入の減少

 米国経済の健全性の指標の一つ、12カ月移動平均でみる米国財務省歳入は6.6年ぶりの低い水準に達し、20087月のサブプライム住宅ローン危機前のような減少パターンをみせている。前年度比でみると、政府歳入は2013年から減少傾向にあり、マイナスとなったのは20174月で5カ月連続となる。

July 09, 2017

EU脱退後に上向くイギリス経済

EU離脱宣言後に予想された大きな減速は見られず、3月には2017年の英国の経済成長率は2.0%に上方修正された。これを裏付けるようにシンクタンクのオックスフォード・エコノミクスは今後の英国経済の成長は他のEU諸国を上回るとの予測を発表した。

July 07, 2017

破産危機が迫るイリノイ州

今では「アメリカのベネスエラ」と呼ばれるようになった米イリノイ州は、財政破綻寸前の状況にある。2010年以降、増加を続けきたイリノイ州政府の未払い残高は現在151億ドル以上にまで膨れ上がり、年金債務は2,510億ドルに昇る。中西部で最大人口の同州が50州で初めて、連邦破産法第9章を宣言する州となるのは時間の問題となった。

July 04, 2017

英国に突きつけられた600億ユーロ

英国は独占禁止法違反でEUから罰金を科されたグーグルとは比較にならない巨額(最大600億ユーロ~7.7兆円)の追徴金を突きつけられている。英国はEUの正式脱退以前にこの金額を払わなければならないが、過去40年にわたってEUに多額の負担金を支払ってきた英国は国民の同意を得ることが難しいとして、支払いを拒否する姿勢を見せている。

July 03, 2017

ハワイ州で統一最低所得制度導入の検討が始まる

米ハワイ州で、15日に「ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)」又は統一最低所得制度の導入の検討を始める法案が満場一致で州両上下院で承認された。特定の州でベーシック・インカムの検討を始めるのは米初となる。

July 01, 2017

イタリアの「ゾンビ銀行」の破綻処理

イタリア政府は過去最大の公的資金による銀行の破綻処理に踏み切った。スペインの銀行バンコ・ポピュラールの「ベイルイン」救済に続き、欧州の金融システムの安定化を図る目的で、イタリアの中堅銀行2行は公的資金総額170億ユーロ(約21,170億円)によって破綻処理されることになった。

June 28, 2017

戦争で疲弊したイエメンでコレラ大量発生

イエメンの5月からのコレラ感染者は医療体制の不備、食糧危機、飲料水の汚染など複数の要因が重なって、急激に増加した。1カ月で感染者は7万人、うち800人が死亡した。現在は死者数が1時間で1人という最悪のものとなっている。

June 27, 2017

文殊の知恵は何故、正確な地政学上の未来予想ができるのか

カリフォルニア大学バークレイ分校の研究グループは「大衆の正しい予測に関する研究」(The Good Judgment Project)に基づいて、一般人でも時間をかけて特殊な教育(訓練)をすれば、専門家よりも正確な地政学の未来予想が可能であるとする研究結果をまとめた。

June 25, 2017

異例の勅令でサウジアラビア次期国王に指名されたサルマーン皇太子

アブドゥルアズィーズ・イブン・サウード初代サウジアラビア国王の孫で、現サルマーン国王の甥、王位継承順では次の国王となるムハンマド・ビン・ナーイフ皇太子(57歳)は突如、王位継承権と内務大臣のほか、全ての役職を剥奪された。代わりに王位継承順第1位(皇太子)に昇格したのが、現サルマーン国王の実子ムハンマド・ビン・サルマーン副皇太子・国防大臣(31歳)である。

June 22, 2017

カタールとの国交断絶で中東の勢力地図に変化 Part 2

サウジアラビアはイランとの国交断絶の条件が中心となる最終宣告をカタールに突きつけた。中東でサウジアラビアと米国の脅威となっているイランの政治的・経済的影響力の拡大を阻止する動きであるが、カタールとイランの関係は切り離せない共存関係である。

June 19, 2017

対ロシア制裁をめぐり深まるドイツとアメリカの溝

ロシアの大統領選への関与に対する制裁として15日に、上院は新たなロシアへの制裁案を可決した。しかし、2014年の欧米が団結してロシアに経済制裁を加えた時とは異なり、今回は同盟国のドイツとオーストリアはこの制裁に反対、認めないことを表明した。

June 17, 2017

中央銀行による金融資産購入はいつ終わるのか

世界の中央銀行(スイス国立銀行、イングランド銀行、日本銀国、中国人民銀行、欧州中央銀国、連邦準備銀行)は、今年に入って5月まで間に、総額1兆5000億ドル相当の株、債券そして他の金融資産を購入してきた。株価、債券などの市場でバブルを膨らませ、その結果、資本主義市場ではなく完全に操作された市場となった。

June 13, 2017

カタールとの国交断絶で中東の勢力地図に変化Part 1

 5日に始まった「反カタール」連合によるカタールとの国交断絶の背景には、①化石燃料資源の格差、②カタールのイランとの深まる関係、③中東の中でのサウジアラビアの脅威となっているイランの勢力と影響力の拡大、④サウジアラビアの財政悪化、⑤メディア帝国アル・ジャジーラ放送の影響力の拡大などがある。

June 15, 2017

後半を迎えるラマダン~各国で強まる無差別テロリスク

イスラム教の国は今、イスラム教の最も重要な「聖なる月」のラマダンの最中にある。527日から始まったラマダン(絶食月)とラマダン明けの祭り(イード)は624日まで続く。今年のラマダンは、2016年を大幅に超え、6月10日時点で29カ国に渡り、189件のテロ事件が起きている。死者数も1,783人に上り、負傷者1,830人と過去最高の犠牲者をだしている。

June 11, 2017

バンコ・ポピュラールのベイルイン救済

破綻危機が騒がれていたスペインの銀行バンコ・ポピュラールに対し、欧州中央銀行(ECB)は「ベイルイン」制度の活用とスペイン最大の銀行サンタンデールへの売却による救済を採択した。公的資金や破綻処理基金の資金を投入せず、バンコ・ポピュラールの株主と債権者が損失を負うことになった。

June 09, 2017

ビルダバーグ会議2017 Part 2

1954年の設立当時から、完全非公開で秘密に開催されてきたビルダバーグ会議。2015年に会議への市民意識の高まりに対応して、初めて公式サイトを公開、その年会議参加者名簿や議題を公表するようになった。しかし、欧米の主要メディアからの参加があるにも関わらず、「エリート・グローバリスト」たちの会議内容は決して報道されることはない。

June 07, 2017

国交断絶の背景にあるカタールとの経済戦争

6月5日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、バーレーンの中東4カ国は、カタールとの国交を断絶すると発表し、さらに2カ国が続いて中東7カ国が国交断絶という極端な反カタール外交政策をとった。

June 06, 2017

ビルダバーグ会議2017  Part 1~グローバリストに危機感 

65回ビルダバーグ会議2017は、61-4日まで米バージニア州フェアファックス群、ホワイトハウスから30マイル(約48.3キロ)離れた場所で開催された。今回の議題の中心はトランプ大統領と新政権の政策への対応となった。

June 05, 2017

テロの連鎖が英国総選挙に与える影響

マンチェスター・アリーナの記憶が新しい63日、週末の賑わいがまたしても惨劇の場になった。ロンドン塔の近くの歩行者天国にミニバンが突っ込み、また複数犯がボロ・マーケットの歩行者を刺した。9名が負傷し48人が病院に運ばれた。テロ実行犯は自爆テロにみせかけた上着を着た3名、この犯行で6名が刺殺された。

June 04, 2017

トランプのパリ協定脱退はグローバリズムとの決別

世界中がアメリカのパリ協定からの脱退に唖然としているが、トランプ政権の主張には一理ある。大気中のCO2による温室効果に基づく地球温暖化説が疑問視されるようになり、排気ガス削減の緊急性が薄れたことと、CO2削減の根拠が生態系保護に移りつつあるからである。

June 03, 2017

アメリカ独自の対北追加制裁~背景に中国の方針転換

アメリカが北朝鮮への軍事圧力を強める一方で、報復を恐れ先制攻撃が選択肢にないことを見透かした北朝鮮は、弾道ミサイル発射の実験頻度を増大し大気圏突入の課題もクリアしてICBMの配備が近い。国連安保理では対北制裁が可決される見通しだが、アメリカもロシア系2企業を含む9社を対象に独自制裁を追加した。

June 02, 2017

捜査線上に浮かんだWannaCryの意外な犯人像

4月12日に史上最大のランサムウェア攻撃、ワナ・クライWannaCryは世界150カ国以上、30万台以上のコンピュータを感染、大きな混乱を招いた。直後に、サイバー攻撃の実行犯を巡り、セキュリティー会社、ハッカー、各国のサイバー犯罪対策課、マルウェア研究者らは実行犯探しに一斉に動いた。

June 01, 2017

世界はいま危機の季節(冬)にある~フォース・ターニングの警告

1997年に出版された『フォース・ターニング:米国の予言』(The Fourth Turning: An American Prophecy)によれば、アメリカの歴史(社会的変化)は4つの節目に区切った80年周期で繰り返している。その周期の最後の節目は「冬」の危機の時代で、今アメリカが置かれている現状である。

May 30, 2017

ノートPCを機内に持込めなくなる日

国土安全保障省長官のケリー前国務長官が米国への爆弾テロ対策として、イスラム系8カ国からの国際線で登場の際にノートPCの持ち込みを禁止している。国内線も禁止となったが、今度は他の国にも拡大しようするもの。2週間前に当局はEUからの便に対しては適用しないことを言明していたが、ケリー長官の発言でこれも守られない可能性がでてきた。

May 29, 2017

空母だけではないトランプの対北軍事圧力

米海軍は北朝鮮への軍事圧力を高めるため新たにニミッツ級原子力空母の1番艦であるニミッツ(CVN-68)を送り込んで、カール・ビンソン(CVN-70)、ロナルド・レーガン(CVN-76)とともに3隻体制となった。しかしトランプ大統領の対北朝鮮兵力増強はそれだけではなかった。

May 28, 2017

トランプ大統領がNATO式典で防衛分担金問題を批判

中東訪問を終えたトランプ大統領は5月25日、NATO首脳との会談でNATOが共同防衛で(GDP比2%では少なすぎるとし)応分の軍事予算を使っていないと批判した。NATOは防衛予算を拡充して同盟国としての財政義務を果たすべきだと訴えた。

May 26, 2017

マンチェスターのテロに爆弾専門家が関与~国境を越えるテロリストたち

マンチェスター・アリーナのコンサートでの自爆テロは死者数は22名、負傷者60名近くの惨劇となった。犯人は爆弾を詰めたリュックを背負い爆破したとみられるが、現場の詳細な調査から不可解な事実が明らかになっている。

May 25, 2017

EU離脱する英国が拠出金要求に強硬姿勢

欧州連合(EU)は英国の離脱に伴いEUに支払う拠出金に合意するまで、離脱後の通商交渉の開始に応じない方針を示した。しかし、英政府はその額や合法性について疑問の声をあげ、拠出金の要求を取り下げなければ、EUとの通商交渉に応じないと強便姿勢をみせている。離脱に伴いEUが英国に要求した当初の拠出金の額は、400~600億ユーロであった。その後、この金額はユンケル欧州委員長の要望で1,000億ユーロにまで膨れ上がり、英国からの反撃を招いた。

May 24, 2017

コンサート爆弾テロで死者19名~連鎖の背景

2016725日のドイツ野外コンサートの爆弾テロ事件の記憶が消え去らない欧州に再びコンサート爆弾テロが起き、死者19名、50名以上の負傷者を出した。惨劇のコンサートとなったのはいまをときめく歌姫アリアナ・グランデの英国公演(2017522日)の会場となったマンチェスター・アリーナ。付近を担当する警察のツイッターによると現地時間の午後10:33にマンチェスター・アリーナから警察に連絡があった。

May 23, 2017

頻発する地震が警告するリングオブファイアーの活性化

メキシコ地震に代表される一連の地震が連続して24時間内に発生している。それらは太平洋岸テクトニクスの境界に当たるリングオブファイアーで起きた。太平洋を囲む活火山の活動も激しくなていることから、リングオブファイアーの不安定さが顕著になったと言える。

Sep. 23, 2017

誇張された地球温暖化を肯定論者が認める

パリ議定書の根拠となる平均地球表面気温の増大が誤りであったことが最新の研究で明らかになった(Millar et al., Nature Geoscience online Sep. 18 (2017))。CO2の温室効果は誇張されていて、温暖化の度合いは地球モデルで予想された数値より低いことがわかった。

Sep. 21, 2017

実用化に近づいた空気中のCO2で燃料を製造する技術

バークレイ研究所の研究グループは光合成より遥かに高いエネルギー変換効率で空気中の炭素(

CO2から)を燃料(エチレン、エタノール)に転換する技術を開発した(Gurudayal et al., Energy & Environmental Science 2017)。これまでの技術では完全なCO2還元には至らなかったが、この研究で初めてCO2からエタノールとエチレンを生成することができるようになった。

Sep. 20, 2017

デイーゼルゲートによる欧州の犠牲者は毎年5,000人

ノルウエイ、オーストリア、スエーデン、デンマークの研究グループによる最新の研究(Johnson et al. Environmental Research Letters, 2017)はデイーゼルゲートによって、欧州では毎年10,000人がデイーゼル排気ガスが原因となり、呼吸器系疾患で命を落としている。不正によるNOx値の上昇がなければこのうち約半数の5,000人命を救えたとしている。

Sep. 18, 2017

癌細胞のエネルギー源を遮断する分子

グルコースを様々な方法で分解して癌細胞の成長のエネルギー源とするワールブルグ効果は、癌細胞成長の鍵となるためこれまで多くの研究で調べられてきたが、不明な部分が多い。デューク大学癌研究所の研究グループは炭水化物の代謝の制御系等を明らかにし、実験室実験でこの代謝システムを阻害する物質を発見した(Locasale et al., Cell Metabolism, online Sept. 14, 2017)。

Sep. 15, 2017

記憶の形成の新しいメカニズム

これまでの膨大な数の記憶形成に関する研究結果に基づいて、記憶形成が学習によってニューラルネットワークが形成・強化されること(ヘブ学習則)によると考えられている。ハワード・ヒュージ医療研究所とユニバーシテイ・カレッジ・ロンドンの研究グループは記憶形成の新しいメカニズムを発表した(Bitner et al., Science 357, 1033 (2017))。 

Sep. 11, 2017

ヒト細胞核で生命サイクルを刻む時計

ニューヨーク大学の研究グループはヒト細胞内に内蔵される生命時計(核細胞の運動)を発見した。この細胞核の運動と生物活動の関係を調べることで、病気の発症メカニズムの理解が進むと期待される(Chu et al., PNAS (2017))。

Sep. 13, 2017

バークリー地震研究所は北朝鮮核爆発を300キロトンと推定

バークレー地震研究所チームはこれらと異なる手法で合計40カ所の観測データを総合し、今回の核爆発の威力を推定した。その結果、爆発威力がこれまでの推定値を上回る300キロトンとなった。これは実に広島型原爆の20倍に相当する値で、北朝鮮が強化型原爆から熱核兵器(水爆)の最終段階に到達したことを証明するものと考えられる。

Sep. 07, 2017

燃料電池の新技術でFCV普及が加速

燃料電池を搭載したFCVは水素を燃料として発電しモーター駆動で走るがその際に排出されるのは水だけで環境保護の観点で優れているが、水素供給インフラの整備と燃料電池の寿命を決める電解質の劣化問題が課題であった。デラウエア大学の研究グループは、燃料電池(電解質)を低価格で長寿命にする新技術を開発した(Zheng et al., Nature Comm. 8, 418 (2017)。

Sep. 06, 2017

フラッシュメモリ導入でデータセンターが大幅に省電力化

データセンンターではブレードサーバー、サーバーを冷却設備、サーバーと空調設備の無停電電源装置で大電力を消費する。このほどMITの研究グループはデータセンター向けにフラッシュメモリベースのキャッシュ・サーバーを開発した。

Sep. 04, 2017

ナノダイアモンドがLiイオンバッテリーの電極問題を解決

ドレクセル大学の研究グループはナノダイモンドを電解質(LiPF6-炭酸エチレン/ 炭酸デイエチレン)に添加することにより、Li原子がダイアモンド表面に均一に析出するため銅電極にデンドライドが形成されないLiイオンバテリーをつくることに成功した。(Nature Commun. 8:336 1, 2017)。

Sep. 01, 2017

アルツハイマー症治療に有効なHDAC6阻害剤

ノースカロライナ医科大学の研究グループはアルツハイマー症を引き起こす因子を探る一連の研究により脳細胞のアミロイドβ蛋白質及びタウ蛋白質と活性化された免疫細胞の異常な凝集が起きること、これらの蛋白質と活性化された免疫細胞が正常な脳細胞を攻撃することでアルツハイマー症が発症することを見出した。

Aug. 31, 2017

液体金属膜による水素分離でFCVの普及は早まるか

ウースター工科大学の研究グループはパラジウムの代わりに液体金属

が使えることを見出した(Yen et al., AIChE Journal online Feb. 25, 2017)。研究で用いた金属は水蒸気改質プロセス温度(500C)で液体でパラジウムより遥かに低コストであり、パラジウムのように欠陥形成もない。

Aug. 29, 2017

3,700年前のバビロンで使われていた世界最古の三角法

ニューサウスウエールズ大学(シドニー)の研究者グループは、3,700年前のバビロンの粘土板に刻まれた数表を解読し、それが世界最古となる三角法の計算表であることを明らかにした。今回の研究によれば三角法の発見はギリシャではなくそれより1,000年以上前にバビロンであることがわかった。

Aug. 27, 2017

筋肉収縮にある分子協調機構の発見

クギル大学の研究グループは心筋を構成する筋節の状態を詳しく調べる手法を開発した(PNAS 114, 8794 (2017))。開発された手法はミクロンスケールの針による筋節(サルコメア)の駆動力の測定と特殊な顕微鏡観察による収動作の観察を組み合わせたことで、筋節集合体の筋節の収縮を独立に観察できることが特徴である。

Aug. 25, 2017

CO2による地球温暖化を否定するニューラル・ネットワーク

オーストラリアの生物学と計算機科学の共同研究グループはニューラル・ネットワークを使った気候変動に関する新しい研究で、現在の地球の気候変動にCO2の温室効果などの異常はないとする結果を得た(Abbot and Marohasy, GeoResJ 14, 36 (2017))。温室効果による地球温暖化説についてはこれまでも懐疑的な論文が多く発表されていたが、今回の研究でCO2の温室効果は決定的な否定となった。

Aug. 24, 2017

北米を横切る皆既日食~シミュレーションで進むコロナの理解

現地時間の2017年8月21日(日本時間の22日)、ハワイを含む北太平洋の東側と北米の全て、北大西洋、アフリカ北部、西ヨーロッパまでの広い地域で日食が観測される。特に北米では西海岸から東海岸まで皆既日食が横断するため人口密集地の局所的な宇宙天気(電離層の状態)への影響が懸念される。

Aug. 21, 2017

オピオイドに代わる新しい強力鎮痛剤UKH-1114

テキサス大学オースチン校の研究グループは従来は知られていなかった痛み信号伝達系に働く強力な鎮痛剤UKH-1114を発見した(ACS Chemical Neuroscience, 2017; 8 (8): 1801)。研究グループはマウス実験で従来の鎮痛剤(てんかん・発作で投与されるガバペンチン)よりも長時間効果を持続することを確認した。

Aug. 17, 2017

代謝酵素を標的とした新しい膵臓癌治療法

肥満人口の増加と共に増加の傾向にある膵臓癌は癌死亡原因の3位であり、5年後の生存率は8-9%である。ボストン小児病院とMIT、ハーバード大学の研究チームはがん細胞が窒素を除くために使う酵素を標的とした新しい膵臓癌治療法を提唱している(Kalaany et al., Nature Comm. On line Aug. 15 (2017))。

Aug. 16, 2017

ビッグデータ活用で明らかになる新しい疾病相関

シカゴ大学の研究グループが、米国の人口の1/3に当たる健康保険の請求者ビッグデータから(128,989家族、481,657人)抽出して、149の疾病を対象に遺伝的及び環境的因子を解析し疾病相関を調べた。大多数に遺伝子因子が認められ、その一部は従来の疾病分類と整合しない新たな遺伝的疾患との類似性が見つかった。

Aug. 09, 2017

体内時計と老化の関係が明らかに

カリフォルニア大学の研究グループの老化が体内時計が関わる代謝のメカニズムに与える効果を調べた研究で、細胞の代謝と関わりが深い概日リズムすなわち体内時計が、生理的な老化に伴って変化することがわかった。また研究グループは低カロリーダイエットが正常なエネルギー代謝の維持と老化防止に役立つことを明らかした(Sato et al., Cell, 170, 664 (2017))。

Aug. 11, 2017

深刻化する都会の社会的孤立と孤独感

ブリガム・ヤング大学の研究グループは、都会の社会的孤立と孤独感による精神疾患が増大する一方で深刻化していることを明らかにした(心理学会2017年会)。「人とのつながり」は快適な人間活動ばかりか生存(共存)に不可欠である。極端な場合には人(親)の保育を受けられない幼児は死に至る。研究では米国の社会的孤立と孤独感を感じる人たちの増大が深刻化している。

Aug. 07, 2017

テスラEVのターニングポイントとなるモデル3

モデル3の販売でテスラEVは量産自動車メーカーの仲間入りを果たす。量産メーカーとなることでテスラ社はニッチ路線と決別するがそれは同時に大手自動車メーカー共通の価格競争と薄利多売の土俵に立つことになる。はっきりしていることは同社にとって、モデル3がターニングポイントになることだが、その後の成長については期待と同時に不安要素を抱えている。

Aug. 02, 2017

室温でナノレーザー発振に成功

アリゾナ州立大学と中国の北京大学の研究グループがシリコンナノビーム空洞上の単原子膜を使って室温でナノレーザー発振させることに成功した(Li et al., Nature Nanotechnology online July 17, 2017)。将来的にはICチップに組み込まれて計算機間の直接的な情報通信が可能になると期待されている。

July 31, 2017

テスラEVのバッテリーが高寿命である理由

テスラEVのバッテリー容量劣化測定データがテスラフリークやユーザーコミュニテイのウエブで公表されている。テスラEVのバッテリーはパナソニックセルの集合体であり、セルごとのきめ細かい管理システムが特徴であるが、その組み合わせが全体の信頼性を高めることになるのか興味深い。

July 28, 2017

ドラッグデリバリでスパイスが癌細胞を死滅させる

クルクミンはウコン(ターメリック)などのスパイスに含まれるポリフェノール化合物だが、ナノ粒子によるドラッグデリバリによって癌細胞を死滅させる働きがあることが最新の研究(によって明らかになった(Kalashinikova et al., Nanoscale, June 09 (2017))。

July 26, 2017

人体の動きで発電する極薄膜デバイス

人間が動き回ることで発電し充電が可能であれば携帯端末のバッテリー充電に気を使う必要もなければ、電気のない野外でも不便はない。ヴァンダービルト大学の研究グループは発電機能を持つ上着やスカート、シャツで発電を可能とする黒リン極薄膜発電デバイスの研究開発に成功した(ACS Energy Lett., 2017, 2, 1797)。

July 24, 2017

大気中のCO2からカーボンニュートラル燃料を製造

フランスのパリ大学とアルゼンチンのコルドバ大学の研究グループはCO2からメタンを製造するカーボンニュートラル燃料製造技術を開発した(Rao et al., Nature online July 17, 2017)。新しい手法ではアセトニトリルに溶かしたCO2をトリメチルアンモニアで修飾した鉄ポルフイリン触媒により太陽光照射下でメタンに還元される。

July 22, 2017

スマホ感覚のe-シェアバイクMobikeが人気

中国では都市部でスマートバイクの整備が加速しており、Mobikeの利用者は1億人にもなる。中国都市部での成功の勢いで欧州や米国にも進出する機会を伺うe-シェアバイクMobikeとはどのような特徴があるのか。

July 19, 2017

室温で動作する単一電子トランジスタ

ハンブルグ大学の研究グループはラングミュア・ブロジェット法で成長した金属ナノ粒子層を用いて室温で動作する単一電子トランジスタを製作し、その動作確認に成功した(Science Advances 3:e1603191 (2017))。

July 17, 2017

生物多様性が気候変動で受ける影響は環境・地域に依存

ライプチヒ大学の研究グループはミネソタ州のシダー峡谷の生物多様性を観察した結果、地表の植物の生命機能には地中の線虫の活動が大きな影響を与えており、気温上昇はこうした土壌中の生命活動を助長することから生物多様性を維持するには生物多様性が不可欠であることを見出した(Sci. Adv. 3:e1700866 (2017))。

July 15, 2017

ウイルス感染症の治療法に進展

オーストラリアのRMIT大学の研究グループはウイルス感染で人体に与える影響を詳しく調べ、植物、きのこ、動物にみられるある種の生物学的プロセスがネズミ(と人間)へのウイルス感染力を増大させる働きがあることを突き止めた(Nature Comm. 8:69, 1 (2017))。マウスを使った実験で、蛋白質Nox2オキシダーゼ(注1)がインフルエンザ、風邪、テング熱、HIVなどのウイルス感染で活性化されると、体内の抗ウイルス反応を抑制しウイルス感染による影響が強まることがわかった。

July 13, 2017

フランスが原発の1/3を停止

原子力大国フランスに大きな変革が押し寄せている。2015年に社会党が多数を占める議会は、政府が原発依存率を2025年までに75%から50%に引き下げる法律を可決した。法律の数値目標を達成するため、新政権の環境大臣は201710日にフランスの脱原発を図るため最大で原発の1/3を停止する可能性があることを示唆した。

July 11, 2017

変質者の異常さは脳神経障害に起因

刑務所に収容されている50名の囚人の脳MRI検査の結果を調べた最近の研究で変質者が発作的衝動に任せて反社会的な行動に出るのかが科学的に解明された。研究によれば変質者の行動の特徴は突発的な行動に価値を見出す一方でそれが引き起こす将来起きる問題を無視することにある(Buckholtz et al., Neuron July 5, 2017)。

July 10, 2017

見直される炭素・水サイクルにおける森林の役割

アリゾナ大学を中心とするサイバース(CyVerse)プロジェクトはコロラド州ボルダー地域の炭素、水サイクルを定量的に解析し、炭素蓄積量が地形に強く依存することを見出した(Swetnam et al., Ecosphere 8,4, e01797 (2017))。

July 09, 2017

未来都市マスダールの新交通システムPRT 

マスダールPRTは2010年11月から現在までに2駅間を1日当たり18時間、試験的に運行し、200万人の乗客を無事故(稼働率99.6%、故障に対する信頼性99.9%)で輸送した実績を持つ。マスダールは本格的なPRT導入を目指し路線を拡張し自動運転フェーズを予定している。

July 07, 2017

フォスフォレン・グラフェン接合による高性能マイクロ・スーパーキャパシタ

中国科学アカデミーの研究グループは単ステップでエネルギー密度1500mW/cm3、エネルギー密度11.6mWh/cm3)に代表されるマイクロ・スーパーキャパシタの製造技術を開発した(Xiao et al., ACS Nano online June 19 (2017))。

July 05, 2017

新型触媒でカーボンニュートラル燃料合成が現実的に

大気中のCO2濃度の低減は(温室効果防止よりも)海洋酸性化を防止する上で重要課題となりつつあるが、枯渇する化石燃料を合成燃料で置き換える必要性からも研究開発が急速に加速している。オーストラリアのアデレード大学の研究グループは空気中のCO2を固定(還元)して燃料(メタン)にする新型触媒を開発した(J. Mater. Chem. A, 5 129902017))。

July 04, 2017

光で動くナノモーター

これまでの光による原子操作は特殊なレーザービームや機器を用い、原子や粒子を弾き飛ばしたり、接近させたり回転させる手法によるもので応用範囲が限られていた。MITの研究グループは汎用光源で光と物質の相互作用を用いた新しいナノモーターの原理を提案した。

July 03, 2017

2型糖尿病の病因となるSLCA16遺伝子の変異

糖尿病患者の90%を占める2型は後天的な原因で進行するが、発症は遺伝的な要因が存在すると考えられていた。MITとハーバード大学の研究グループは2型糖尿病のラテンアメリカ人の遺伝子を解析した研究で、SLCA16遺伝子の変異による肝臓細胞の機能喪失が2型糖尿病の病因であることを突き止めた(Cell 170 1 199 (2017)))。

July 01, 2017

人工サンゴ礁による海洋環境保護

ポートマス大学の研究グループは人工サンゴ礁で地中海の海洋環境保護に取り組んでいる。人工サンゴ礁はプラスチックのフレームにサンゴ藻を模した炭酸塩で覆われたもので、海底に投入されるとサンゴ礁と同様の海洋環境保護の機能を持つ。

June 29, 2017

ゴムの柔軟さとダイアモンドの硬さを併せ持つ新炭素素材

2次元ネットワークの炭素素材であるグラフェンは新しい電子デバイス材料として世界各国で精力的に研究が行われている。中国と米国の研究グループが高圧下で合成に成功した高密度ガラス状炭素が「固くて柔軟な」従来は相反する性質を同時に持つ新材料として注目を集めている(Science Advances  09 Jun 2017: Vol. 3, no. 6, e1603213)。

June 27, 2017

2050年に98億人になる世界人口

最新の国連予想では2050年の人口は98億人となる。地域別にみると最も人口が増加するのはアフリカで2050年までの人口増加の半分以上がこの地域である。2050年の世界はどのようになっているだろうか。

June 26, 2017

量子気体顕微鏡でハバード反強磁性体を観測

ハーバード大学の研究グループは新たに開発した量子気体顕微鏡で、低温原子の光格子が作るハバード反強磁性体の観測に成功した(Nature 545, 462 (2017))。強相関電子系での高温超伝導の理論解明に向けて大きな前進となることが期待されている。

June 20, 2017

室温ボース・アインシュタイン凝縮の発見

光は波動性と粒子性を併せ持つがボース・アインシュタイン凝縮状態では前者が支配的となる一方で、新たな量子的特性が現れる。これまで液体ヘリウム温度の現象だと思われていたボース・アインシュタイン凝縮を励起子ポラリトンを用いて室温で実現した(Lerario et al., Nature Phys. online June 5 (2017)。

June 23, 2017

現代人の死亡原因のトップは心臓疾患であるが、スタンフォード大学の医療研究グループはこの光合成酵素を治療に使えることを発見した(Science Advances 3 6, e1603078 (2017))。心臓疾患を持つマウスの血液に光合成細菌を注入し光刺激を与えた結果、血液中の CO2を吸収し酸素濃度が上昇し疾患が改善された。

June 19, 2017

未来都市のつくりかた~JingJinJiとマスダール

中国の5カ年計画で最大規模の建設事業となるJingJinJi計画は都市部の人口が1億人を超える。これは周辺地域から都市部への人口移動においても過去最大クラスのものとなる。最近の科学アカデミーの調査研究(Science China Earth Sciences 60 6 1083 (2017))によると都市化と環境保全に相関があることがわかった。

June 17, 2017

レドックスフロー電池でのEV普及シナリオとは

LIイオンバッテリーはいまのところそのエネルギー密度において競合相手がいない。しかし①充電時間が長い(EVの標準が80%充電に30分)、②充放電サイクルに制限がある(約500回)、③発火の危険性などの重大な欠点もある。パーデユー大学の研究グループは一瞬で充電が完了する固体電解質膜無しの新型バッテリーを開発し充電時間の問題を解決した。

June 16, 2017

空気中の水分から水素製造する光触媒

貯蔵できるクリーンエネルギーとして注目される水素は、太陽エネルギーによる水分解で製造できる。MITの研究グループは空気中の水分を光触媒で分解して水素を製造できるコート材料が開発した(Daeneke et al., ACS Nano, June 14, 2017)。

June 15, 2017

視覚情報認識メカニズムのモデル化

画像情報をソフトウエアが認識することの難しさは自動運転ソフトの困難さで容易に理解できるだろう。脳内で視覚情報処理を受け持つ視覚野に関する新しい研究で、大脳皮質コラムの認識メカニズムが明らかにされた(Nature Comm. 8: 15739 (2017))。

June 14, 2017

アタカマ砂漠に世界最大の反射望遠鏡の建設が始まる

チリのアタカマ砂漠に140億光年の彼方を観測できる世界最大の反射望遠鏡(European Extremely Large Telescope, E-ELT)の建設が開始された。完成すればE-ETTは現在世界最大の反射望遠鏡の5倍の大きさとなる。

June 13, 2017

環境汚染物質ペルフルオロオクタン酸(PFOA)除去技術

ノースウエスタン大学の研究グループは飲料水からペルフルオロオクタン酸を除去する技術を開発した。この技術によって水に溶けているペルフルオロオクタン酸濃度を10ppt(1000分の1ppb)にまで下げることが可能になった。研究グループはペルフルオロオクタン酸を取り込むサイトを有する高分子で、ほぼ完全に除去することに成功した(L. Xiao et al.,  J.A.C.S. online May 30, 2017)。

June 09, 2017

進展する遺伝子治療~遺伝子疾患に光

クイーンズ大学の研究グループは遺伝子編集による遺伝子疾患治療法の検証に成功した。難病とされる肝臓疾患など遺伝子変異で発症する疾患の治療に役立てることができるとしている(Nature Scientific Reports 7:2585 (2017))。

June 08, 2017

新たな触媒分子設計で人工光合成に進展

ブルックヘブン国立研究所とバージニア工科大学の研究グループは光吸収と電荷発生を行うルテニウム金属錯体とロジウムを触媒として水素を発生する錯体分子を結合した人工光合成多核錯体分子を合成した。研究グループは水素発生効率を調べ、水素発生効率と持続性がルテニウム金属の数に依存することをみいだした(J.A.C.S. June 1, 2017)。

June 05, 2017

太古からの気候変動で予測する降雨帯の北上

コロンビア大学とメイン大学の研究グループは過去の降雨分布を調べ、将来の変化を予測した結果、地球表面温度が上昇すると陸地が多く(都市部も多い)北半球が海洋の多い南半球より余計に熱量を溜め込み、水蒸気を排出することで降雨量が増える場合があることを示した(Science Direct, 3 5 e1600871 (2017))。

June 04, .2017

CRISPRゲノム編集に想定外の遺伝子変位

CRISPRは癌治療やHIV治療の最終兵器として期待され、すでにヒト遺伝子治療が始まったゲノム編集技術だが、コロンビア大学の研究グループの研究によれば、特定箇所のCRISPR編集によって、意図しない数100箇所の遺伝子変異が生じる恐れがあることがわかった。研究は単一塩基や翻訳されない遺伝子など標的以外の変異が同時に生じることで危険性があると指摘した(Nature Methods 14 6 547 (2017))。

June 02, 2017

ハイブリッド・ペロブスカイトで実用化に近づいたスピントロニクス

ユタ大学の研究グループはスピントロニクス研究の「ゲーム・チェンジャー」となる可能性を秘めた斬新な有機―無機ハイブリッド・ペロブスカイトの開発に成功した(Nature Phys. May 29 (2017))。

June 01, 2017

水素化反応効率100%の単原子バナジウム触媒

アルゴンヌ国立研究所の研究グループはSiO2に担持された有機バナジン(SiO2)V(Mes)(THF))触媒を開発した。アルキン・アルケン炭化水素に対する単原子バナジウムサイトの水素化の触媒活性は100%に達する(Chem. Comm. May 03 20017)。

May 31, 2017

癌細胞の増殖速度を抑える新しい手法 

癌は複雑な病気であるがその定義は極めて単純で、異常細胞の増殖である。ロチェスター大学RNA生物学研究センターの研究グループは肝臓癌と子宮頸癌に対して、異常細胞の増殖速度を抑える新しい手法を開発した(Science 356 6340 859 (2017))。

May 28, 2017

海水酸性化が海洋カーボンサイクルに与える重大な影響 

未来の海洋を模した海水中の有孔虫の生態を研究した結果、地球上のカーボン・サイクルに重大な変化が起こりつつあることが明らかにされた。カリフォルニア大学デイビス分校の研究グループは単細胞動物である有孔虫から、CO2の増大による海水の酸性化で海洋生物の代謝が変化し大洋のカーボンサイクルに影響を与えることが明らかになった(Scientific Reports 7 2225 (2017)

May 27, 2017

アルツハイマー、パーキンソン、ハンチントン病の共通因子が発見される

認知症の代名詞となったアルツハイマー病は全世界で350万人以上が発症するが、難病である神経変性疾患のパーキンソン病、大脳中心部の神経細胞が変質するハンチントン病に共通の因子として、脳細胞を変性させる異常蛋白質が存在することがわかった。

May 24, 2017

X線イメージングで解明された水に浮く岩の謎

軽石といえども長く水に浮くことはできないが、世界には極端に長い時間(数年)にわたって水に浮く特殊な軽石も存在する。しかし時間が経過するとこうした軽石は最終的に沈む。その長期間浮かび続けてやがて沈む理由は謎であった。このほど高輝度X線ビームが得られるバークレイ研究所の放射光施設(ALS)で行われた水に浮く軽石のX線透視実験により、長い間解明されなかった謎が説明された(Earth and Planetary Science Lett. 460, 50 (2017)

May 25, 2017