フレアリスクにさらされる地球

Sept. 12, 2014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 

 大規模な太陽フレアに伴う磁気嵐が米国時間の13日に地球に到達し、電力網や無線、衛星通信に影響が出る恐れがあるとして、米海洋大気局(NOAA)の宇宙天気予報センターが警戒情報を出して注意を呼びかけた。フレアの発生機構は太陽の磁気構造と関係が深く、磁気エネルギーが熱エネルギーや運動エネルギーに急激に変換されることによる。


 米航空宇宙局(NASA)によると、太陽表面で10日にかけて2つの太陽フレアが発生した(注)。このフレアに伴ってコロナ質量放出と呼ばれる現象が発生し放出されたエネルギーが地球に向かっている。フレアが発生すると、X線、ガンマ線、高エネルギー荷電粒子が大量に発生する。


 フレアは途方も無いエネルギーを持つ爆発で、太陽表面では音速を超える速度で数10万Kmも伝播する衝撃波が生じる。フレアの大きさは数万Kmにも及ぶため、地球をかすめることはたびたびある。そうなると電離層だけでなく地球上の導体全てに強力なパルス電流が流れて、機器や送電網を破壊し尽くす。

 

(注)電磁波の強度で4-5段階に分類されるフレアはたいていが最も弱いXクラスであるが電磁パルス(EMP)の影響は無視できない。



 太陽フレアの与える地球への影響は、オーロラに関心が集まりそうだが、米国では送電網(パワーグリッド)への影響が、懸念されている。事情はこうだ。もともと米国の電力網が高負荷に対して脆弱であることは、過去のNY大停電で露呈している。また節電の習慣がないため、2000年夏には電力消費が給電キャパシテイを越えて電力不足となり充分な電力を供給できなくなり大停電が発生した。


 日本のように節電目標が発せられると酷暑でも28度という空調機設定でやりくりなどしない。そこで政府は特に都市部の電力網を制御する目的で電力計を各家庭に配り、電力網のマネージメント(パワーグリッド)を考えるようになった。

 しかしこのためには消費電力の詳細データをリアルタイムモニタするので、NSAによる盗聴もあり、個人情報の提供を拒否する人たちもいる。パワーグリッドに依存しない生活を実行することをオフグリッドという。残念ながらオフグリッドもパワーグリッドもフレアの影響を導体が等しく受ける。ケーブル、放送、携帯電話やインターネットが根こそぎやられると、米国だけで最初の1年間で数兆ドルの被害が出るとされるが、都市部の混乱は想像できない。



 実際には銀行預金が引き出せなくなり商店は略奪に遭い、パニックに陥った民衆は食糧を求めて暴徒化するだろう。そうなれば大統領の命令でマーシャルローが発令される。