気候変動と紛争の関係性は成立するか

気候変動を世界各地の紛争と関連づけ、気候変動を強く印象付ける議論がある。メルボルン大学の研究チームは気候変動と紛争の関係に関する過去の論文は気候変動と紛争の関係性を論じた論文には偏向した対象についての事例が多く、事実が湾曲されているとしている(Adams et al., Nature Climate Change online Feb. 12, 2018)。

塵がもたらした新生代後期の地球寒冷化

新生代後期にあたる約500万年前から約258万年前までの鮮新世の気候変動は将来の地球の気候を予想する上で、重要な手がかりになる。クレムゾン大学の研究チームは270万年前(新生代後期)の寒冷化が起きた原因はアジア大陸から巻き上げられた大量の塵が、北太平洋にかけて上空を移動したことが原因とする研究結果を発表した(Nie et al., Science Advances 4, eaao6977, 2018。

国連が誇張した地球温暖化ワーストシナリオ

エクセター大学の研究は増え続けるCO2排出量の現実を反映させ、CO2排出量が2倍となる場合の気温上昇を予測した。IPCCの予測では1.5-4.5度Cとなる気温上昇は下方修正され2.2-3.4度C、もっとも確率が高いのは2.8度Cとなった。つまり気温上昇の幅が狭まり、6度Cという極端な気温上昇はあり得ないことになる。

回復していなかった低緯度地域上空のオゾン層

人間を紫外線から守るオゾン層はフロン規制の効果で、極地上空にできたオゾンホールと呼ばれる欠乏箇所が消えたと考えられていた。しかしオゾン層の修復は緯度に強く依存しており、低緯度地域の上空のオゾン層では修復されていないことが欧州の研究チームによる最新の研究で明らかになった(Ball et al., Atmos. Chem. and Phys. 18, 1379, 2018)。

再び注目される地球の磁極逆転

磁極シフトが進み地球磁場が完全に逆転する状況に変わりはないとする警告をニューズウイークをはじめ多くのメデイアが取り上げたため再び注目を集めることとなった。磁極シフトが2012年以降、移動速度を早めたとなれば逆転の兆候と解釈されても不思議ではない。

最新研究がオゾン層の危機を警告

オゾン層の危機が叫ばれてモントリオール協定でフロン使用が禁止になった後、オゾン層の減少に歯止めがかかり危機は去ったと思われていた。しかし東アングリア大学の研究グループは、モントリオール協定で規制されなかったフロン以外の物質によって、再びオゾン層が危機が迫っていることを明らかにした(Oram et al., Atmospheric Che. Phys. 17, 11929, 2017)。

脱炭素社会への切り札となるCO2還元触媒

CO2を還元してカーボンニュートラル燃料や高分子製造材料を製造する技術が普及すれば、化石燃料を使用せずに済む。また貯蔵できるエネルギーを空気から製造することで同時にエネルギー危機も防げる理想的な未来技術になり得る。トロント大学の研究チームはCO2を還元してポリエチレンの原料となるエチレンに変換する触媒開発に成功した(Luna et al., Nature Catlyst online Jan. 15, 2018)。

欧州の放射性核種汚染でロシアが原子力事故を否定

欧州各地で2017年9月に観測された放射性核種(ルテニウム106)の地表濃度の異常な上昇した。放出源はウラル山脈近くのロシアもしくはカザフスタンの疑いが濃厚である。一方21日、ロシアは管轄する核施設では原因となる原子炉事故は報告されていないこと明らかにした。

2020年に誕生する海上独立国家

海上都市の構想の歴史は古く、ドバイ沖の海上都市サバー・アル・アマドを筆頭に多くのプロジェクトがある。中には独立国家を目指すものもあるが、2020年に最初の海上独立国家がタヒチ沖に実現する。

HIV-1の最後の未決定蛋白が構造決定される

アラバマ大学の研究チームはAIDSを発症させる逆転写酵素を持つRNAウイルス(レトロウイルス)のHIV-1の未決定構造を決定した(Murphy et al., Structure, 2017 今回決定されたのはHIVウイルスがヒトに感染して増殖するメカニズム解明に不可欠な蛋白gp41の細胞質尾部の構造である。

ホーキング博士の2600年地球滅亡説の真意

2600年に地球が火の玉となって人類は滅亡するから他の惑星しなけれならないというのが本当なら、火星移住計画の推進派にとっては願っても無い警告だが、2600年に何が土嚢な理由で起きるのだろうか。

温暖化に矛盾する気象ビッグデータ~極渦で寒冷化する米国南部

ダートマス大学の研究チームの研究によると米国南東部の暖気ポケットの寒冷化は大西洋と太平洋の気温の変化の影響が大きく、地球平均気温の上昇と逆に低下していることがわかった(Prtridge et al., Geophys. Res. Lett. online Feb. 06, 2018)。研究によると1950年代から米国上空のジェット気流が「暖気ポケット」の出現とともにうねる「極渦」現象が見られるようになった。

大気中のCO2除去に積極的なアイスランド

パリ議定書から米国が脱退し削減交渉に暗雲が立ち込めている。排気量規制が失速しつつある現在、大気中のCO2を取り除くアプローチに関心が集まっている。排気量の過半数を占める米国と中国はいずれも規制に消極的で必要とされる排気規制が現実的でないためである。

MOFを用いた超高速イオン透析技術

全世界で20億人が飲料水不足にあえいでいる。海水から飲料水を製造する海水淡水化技術は水資源の確保に重要である。モナッシュ大学の研究グループはこのほどMOFを用いてサブナノポーラス膜を開発し、従来の技術より高速に淡水化する技術を開発した(Zhang et al., Science Advances, 4 eaaq0066, 2018)。

湖底の堆積物から明らかになった大地震の周期性

南米チリの湖底の堆積物コアを分析した国際研究チームは大地震の発生に周期性が高いことを見出した。小規模の地震を含めれば周期性はさらに高まり、しかも周期性が増大していることも明らかになった(Moemaut et al. Earth and Planetary Sci. Lett. 481, 9, 2018)。

酸素欠乏海域の増大は地球環境の危機

大気中のCO2濃度の増大は海水の酸性化をもたらし漁業に深刻な打撃を与えるが、一方では海水中の酸素濃度も地域によっては減少傾向が続いている。酸素濃度は海水に生息する生物にとって致命的な悪影響を持つ。過去50年にわたって海水の酸素濃度は減少傾向にあり、低酸素濃度領域が1950年当時比べて10倍に拡大した。

地球寒冷化が世界経済に与える脅威

2017年には27%にあたる96日間に渡って無黒点の状態が継続した。2015年には無黒点の日数は無かったが、2016年には9%になり2017年には27%となった。太陽活動が低下すれば放出エネルギーも低下するから寒冷化は避けられないが、寒冷化が食糧危機と感染症の流行で世界経済と強くリンクしている。太陽活動の長周期(約300年)は経済活動周期と一致している。

藻が地球の危機を救う日

本格的な藻の食料や化粧品の原料への応用は遺伝子編集ツール(CRISPR)の進歩で現実味を帯びてきた。エジンバラ大学の研究グループは藻の遺伝子編集技術を改良し、新薬開発への応用を目指している(Ferenczi et al., PNAS online June 12, 2017)。

抗体のせいで2回目の感染が危険なデング熱

世界的なデング熱流行はまだ記憶に新しいが、幸い日本ではそれほど多くの犠牲者を出すことなく、いつしか忘れ去られようとしている。本当に感染リスクは消えたのだろうか。米国とニカラグアの研究グループによれば一度感染した幼児は二度目の感染の方が症状が重く、危険なことを最新の研究で見出した(Katzelnick et al., Science online Nov. 02, 2017)。

海底炭素貯留の安全性を調査するEU

STEMM-CCSStrategies for Environmental Monitoring Carbon Capture and Storage)と呼ばれるこの研究は英国の研究グループによって行われ、論文として公開されている(Alendal, J. of Geophys. Res. online July7, 2017)。研究では海底貯留からの漏洩を検出して漏洩場所を無人潜水艇で特定する手法を提案している。

紫外線照射で皮膚癌になるメカニズム

コーネル大学の研究グループは癌発現につながる遺伝子変異を研究し、紫外線照射でできるメラニンよりメラニン形成細胞であるメラノサイト(幹細胞)が支配的になると、皮膚癌幹細胞が活発化することをみいだしたMoon et al., Sell Stem Cell online Oct. 12, 2017