再生可能エネルギー源となる自然蒸発

コロンビア大学の研究グループは再生可能エネルギーとして初めて湖や貯水池の水の自然蒸発を評価した結果、全米の消費電力の70%に相当する325GWの発電能力を持つことがわかった(Cavusoglu et al., Nature Comm. 8:617, 2017)。

新型触媒で燃料電池製造コストが1/100に

カリフォルニア大学リバーサイド校の研究チームは水素を燃料とした高分子電解質膜燃料電池(PEMFC)の貴金属フリー触媒を開発した。白金書屋バイト同等の性能でありながら製造コストが1/100になる新型触媒の登場でFCVや蓄電・発電デバイスの本格的な普及が加速すると期待されている(Tang et al., Small online Jan. 22, 2018)。

炭素系ナノ物質は燃料電池の正極材料に最適

Liイオンバッテリーの正極材料研究開発で実績のあるライス大学の研究グループは燃料電池の酸素還元触媒である白金の代替えとしてグラファイトN(B)ドープのカーボンナノチューブあるいはグラフェンナノリボンなどの炭素系ナノ物質が最適であるとする研究結果を発表した(Zou et al., Nanoscale, 2017)。

化学ループによる化石燃料からのシンガス製造

オハイオ州立大学の研究チームは効率よく化石燃料とバイオマスを電気や工業的に有用な人工燃料(シンガス)に変換するクリーンな技術の研究開発を行っている。CO2を使いシェールガスからメタノールと軽油に変換するこの手法は原料のシェールガスの代わりに石炭やバイオマスを用いることもできる(Kathe et al., Energy & Environmental Science, 6, 2017)。

脱合金ナノポーラス水分解触媒~水素社会へ向けて前進

クリーンエネルギーの一翼を担う燃料電池の燃料として水素は天然ガス(メタン)の水蒸気改質法に代わる新製造技術が模索されている。太陽エネルギーと触媒を用いる水分解反応は環境保全の点で理想的な水素製造法であるため、そのエネルギー効率を高める触媒開発が精力的に行われている。アルゴンヌ国立研究所の研究グループは最新の研究で、高性能の水分解触媒を開発した(Kim et al., Nature Comm. 8:1449, 2017)。

アゾベンゼンベースの光熱電池が高エネルギー密度達成

マサチューセッツ・アマースト大学の研究グループはアゾベンゼンをベースとした高分子電解質を用いた光熱電池でエネルギー密度~510J/g(最大698J/g)を達成した。研究グループはエネルギー密度に電解質溶液前処理と高分子薄膜のモルフォロジーが重要であることを明らかにした(Pyo et al., Nature Scientific Reports 7:17773, 2017)。

セパレータレス水分解による海上水素製造

コロンビア・エンジニアリングの研究グループは研究グループは海上に巨大な太陽電池パネルを浮かべ海水を電解質として水分解を行うことで、大規模な純水素(99%)製造が可能であることを示した。(Davis et al., Int. J. Hydrogen Energy online Dec. 15, 2017)。鍵となるのは水素と酸素を分離回収できる電極構造である。

ワン・プラネット・サミットはエネルギー・セクターのビルダーバーグか

新首相の元で環境対策に熱心なパリ議定書の議長国であるフランスは、12月12日から、再びパリで気候変動の対策を議題とするワン・プラネット・サミットを開催している。会議では化石燃料から脱却したグリーンエネルギー化のために、国境を超えて取り組もうという趣旨の元で、分野ごとに対策が協議された。

酷寒でも高性能なLiイオンバッテリー

氷点下の気温ではLiイオンバッテリーの蓄電量が低下する。これは寒冷地のEVにとっては致命的な問題となる。中国の復旦大学の研究者グループは寒冷地に強い前リチウム化炭素陰極とLiイオンを含む陽極を開発した(Liu et al., Angewandte online Nov. 30, 2017)。新たに改良した前リチウム化炭素陰極の採用で低温でもインターカレーションが妨げられない特徴を持つ。

トランプ政権の予算削減でITER建設に遅れ

トランプ政権は2017-2018年度予算を1.05億ドルから5,000万ドルへ50%削減、2018年度は1.2億ドルから6,300万ドルに削減した。ITER参加国には10年間の建設期間中の脱退は認められていない。また負担金に大幅な縮小があると建設に遅れが生じ、予定期間に完成しない恐れがあることから、ITER側は米国に当初計画通りの負担額を要求している。

低炭素電力の環境負荷~2050未来予測

ポツダム気候影響研究所の研究グループは長期サイクルでみた化石燃料と非化石燃料の温室ガス排気のライフサイクルアセスメント(環境影響評価)を行った。研究グループはエネルギー、経済、土地、消費、気候への影響を統合したグローバルモデルを構築して、未来社会の低炭素電力システムに関する環境影響評価の結果を公表した(Pehli et al., Nature Energy 2, 939, 2017)。

ペロブスカイト太陽電池の効率が21.6%に

スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究グループはルビジウムを添加した新しいペロブスカイト材料で世界最高のエネルギー変換効率を達成した。同時に、これまでペロブスカイト材料の弱点であった熱安定性を克服し、高温でも安定な出力を維持できる新型ペロブスカイト太陽電池の開発に成功した(Sakiba et al., Science 354, 206, 2017)。

世界139カ国を再生可能エネルギー比率100%にするロードマップ

再生可能エネルギーを主要な電源とするには様々な問題が累積している。その中でも不安定な出力はベース電源となり得ないとされて来た。最新の研究でスタンフォード大学を中心とする研究チームは、再生可能エネルギーで世界20地域139カ国の電力需要を賄えると主張、そのための手法を発表した(Jacobson et al., Renewable Energy online Feb. 3, 2018)

経済的持続性が低すぎるシェールガス発電

マンチェスター大学の研究チームの最新の研究ではシェールガスは持続性に問題があるため、未来を託すことはできないことが明らかにされた。研究結果はシェールガス発電は9種類のエネルギー源の選択肢の中でも7番目と、もっとも適さない部類に入ることを示した(Cooper et al., Sci. of The Total Env.ironments 619-620, 804, 2018)。

窓型太陽電池でエネルギー自給する未来住宅

ケンブリッジ大学の研究グループは窓ガラスに色素増感型太陽電池を取り付けて発電する新しい概念の太陽光パネルを開発した。研究グループの提案する住宅の窓ガラス太陽光パネルは、色素増感型太陽電池の世界最高効率(14.3%)で、送電網への依存度が低い持続的なエネルギー供給が可能になるとして、未来都市のエネルギー問題の解決に役立つと期待されている(Zhang et al., J. Mat. Chem. A 37, 2017)。

ペロブスカイト膜(ITM)で排出炭素から燃料を製造

MITの研究グループはLCF-91と呼ばれるLa、Ca、Fe酸化物を含むペロブスカイト(

La0.9Ca0.1FeO3-δ)膜に火力発電所から排出されるCO2ガスを通してCOとし、水素化して炭化水素としたり、水と反応させてアルコールとして炭素軽減とカーボンニュートラル燃料に使う一石二鳥となる秘術を開発した(Wu et al., ChemSusChem online Nov. 4, 2017)。