ヒラリー・クリントンの起訴は現実となるか

01.06.2016

Photo: ABCnews

 

 リベラル系の米ハフィントン・ポスト紙は529日付の「ヒラリー・クリントンはラケッティア活動で起訴される」(Hillary Clinton to be Indicted on Federal Racketeering Charges)と題した記事がネットでアップされた直後に理由もなく記事は消去された。記者のFrank Huguenard 氏は、ブライトバート・ニュースのインタビューで、なぜ編集部が記事を消去したかの説明を受けていない、追加記事を書きたいが妨害があり、書けない状況にあると述べた。

 

 

 FBIは3月には、ヒラリー・クリントンの電子メール不正使用は秘密情報保護法の侵害と断定、その他にも政府記録の破壊、連邦捜査への嘘、宣誓下での偽証で起訴状を提出する方向にあった。オバマ政権からの政治的圧力を受けながら、捜査はメール不正使用とクリントン財団との関係に焦点が向けられた。

 

 今回消去された記事は、クリントン一家が主宰となっているクリントン財団をFBIは犯罪組織と断定、違法行為によって利益を得る犯罪を行ってきたことを起訴内容として、クリントンは起訴されるという内容の記事である。

 

 

RICO法が適応される犯罪活動 

 RICO法(Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act: RICO)とは、特定の違法行為によって不正な利益を得る「ラケッティア活動」を通じて、組織的な犯罪を行う組織の活動を規制し、犯罪行為に対する民事責任と刑事罰を規定した法律である。利益を得るためのラケッティア活動には、脅迫、偽造、資金洗浄、誘拐、殺人、麻薬売買、人身売買、資金の着服など多くの犯罪を包括している。クリントン財団は犯罪組織と断定され、資金洗浄、賄賂、脅迫などの犯罪行為を行ってきたとする。

 

 ジェームズ・コーミー FBI長官は、FBIはロレッタ・リンチ司法長官にクリントン財団が犯罪組織で資金洗浄や個人、企業、外国政府から政治的、政策や司法上の利益等を獲得する見返りに賄賂を受け取っていたとする起訴内容を提出することになっている。

 

 クリントン財団を犯罪組織とする証拠には、

  • 寄贈者が特定できないように、カナダのペーパーカンパニーを通じて、資金洗浄、クリント財団への寄付としての名目で資金が流れていた。
  • クリントン財団の寄付金のうち、慈善活動に使われたのは全体の10%以下。
  • クリントン財団を通じて、ウラニウム・ワンの買収などの商業取引で賄賂を受け取った。
  • クリントンが消去を指示した電子メール3万通をFBIが回復した結果、クリントン財団を通じての賄賂を受け取ったこと、そのことを隠すためメールを意図的に消去したこと。

 

記事は情報戦?

 記事の消去により、ネット上で騒ぎとなった。クリントン氏を支持しているハフィントン・ポスト紙が意図的に記事を消去した話が急速に広まり、報道の自由がないと批判があがった。しかし、その後に明らかとなったことは、記者のHuguenard氏が民主党候補バーニー・サンダースの支持者であり、記事はクリントン支持層を崩すための情報戦であった可能性である。

 

 ヒラリー・クリントン氏への起訴には、否定できないほど多くの証拠がある。FBIが起訴に向けて起訴内容を固めているのも事実である。FBIがオバマ政権から政治的圧力を受けているのも事実である。

 

 クリントン氏への疑惑やスキャンダルについては、ドランプ氏は新情報を公開する予定である。大統領戦でトランプ氏が優位に立てば、クリントン氏への起訴は現実となるであろう。