地球を襲う異常気象-Part2

Oct. 4, 2014

 

 

 雑誌「WIRED日本版(9.10発売)」では地球を襲う異常気象(Extreme Weather)として以下の6項目を挙げ、注意を喚起している。それらは一体どのようなもので何故注意が必要なのか、「WIRED」とは別の視点でまとめてみた。



Freezing Storm
 よく知られているのはブリザードだが、これは極地に見られる暴風雪のことである。北米の寒波が強い風雪で昨年は停電と交通マヒで市民生活に大打撃を与えた。北米大陸では2013年12月、2014年1月に強い寒波の影響を受け、各地で顕著な低温が記録され、低温や強風による被害が発生した。平均気温も下がり寒気の中心のミネソタ州セントポールでは1月の最低気温が-30Cにもなった。

 2014年に入ってからも北米の寒気は収まらず北部の平均気温は10Cも下がった。この原因は、北極のジェット気流の流れに影響する局所的な高層気流が変動し、ジェット気流が大きく蛇行したことにより、北米中〜東部や日本などに、北極の寒波が流れ込んだと考えられている。しかし局所的な高層気流に影響したのは地球温暖化だとする考えがある。今後、北極の高層気象観測が地球環境の警鐘となるだろう。


Decreasing Tornados
 北米の竜巻の数は減少しているというものの、巨大竜巻の被害は増大している。米国中西部と南部では大気の不安定な状態が続き、ノースカロライナ州やアーカンソー州などで竜巻が発生して、多数の死傷者を出し、インフラが甚大な被害を受けた。

 竜巻と言えばOver the Rainbowで有名なカンサス州が浮かぶが、オクラホマ州やテキサス州にも被害が及んでいる。2014年4月にはアーカンソー州で州都に近い地域が被害を受け、6月にはネブラスカ州オマハを襲った竜巻で小さな街ビルジャーは半分以上が壊滅した。北米寒気とメキシコ湾から流れ込む暖気の衝突が発生目メカニズムということは、やはり地球温暖化と関連づけられるかも知れない。今後の注意が必要だ。



Vast Wildfire
 米国の異常気象のひとつに干ばつがあげられるが、それに関連して異常な山火事が起こっている。2014年夏期の山火事が最も猛威を振るったのは米国北西部とカリフォルニア州北部である。これらの地域が山火事の季節の中心となるのは異例のことなので話題を集めている。というのも全米の山火事の焼失面積では西部の占める割合は少なかったからである。オレゴン、ワシントン、カリフォルニアの山火事には降水が少ないため乾燥化が影響している。

 1988年6月のイエローストーン国立公園の大規模な山火事はキャンパーの不始末によるものであったが、今度はヨセミテで起こった。ハンターの火の不始末で4500ヘクタールの森林が焼け野原となった。これらの山火事は人為的とはいえ乾燥していたことと、熱波の影響で被害が広がった。こうしてみると大規模火災の直接の原因は人間であるが、燃え易く大規模に被害が及ぶことに関して、地球温暖化が影響していることは共通している。