世界に広がるエボラ出血熱ーPart2

Oct.15, 2014

 

 

 西アフリカでエボラ出血熱に感染が確認された医療関係者は、10月8日時点で400人以上、うち233人が死亡したとWHOは発表している。その内、16人は西アフリカ以外の国からで、ほとんど出身国に搬送され、自国で治療を受けている。しかし、その国での感染が拡大する危険性はエボラ出血熱の対応ができる医療設備と訓練された医療スタッフが整っている病院があるかにかかっている。


 西アフリカ以外でエボラ出血熱の患者の治療を行っているのは、米国、フランス、英国、スペイン、ドイツ、ノルウェーの6カ国である。
         
米国    救援隊員      8月2日   回復
      修道士       8月2日   回復
      医師        9月5日    回復
      医師        9月9日    治療中
      リビリア人     9月30日   死亡
      テレビ局カメラマン 10月6日   治療中
      医療従事者     10月11日   治療中
フランス  看護師       9月19日   回復
英国    看護師       8月24日   回復
スペイン  修道士       8月7日     死亡
      牧師        9月22日   死亡
      看護師         10月6日    治療中
ドイツ   医師        8月27日   回復
      医師         10月3日     治療中
      UN医師         10月9日     死亡
ノルウェー 救援隊員       10月6日    治療中

 

 それぞれの国においても、一カ所ではなく、数カ所の病院で感染者の治療にあたっている。問題は、エボラ出血熱のようなバイオセーフティー・レベル4対応の医療設備が整った病院であれば、2次感染の危険性はほとんどないが、レベル3以下の病院ではエボラ感染者の治療を行う際に.感染リスクがあることである。

  アメリカでは、バイオセーフティー・レベル4の病院は10カ所あるのに対し、スペインではレベル3以下の病院が1カ所しかない。そのため、当初エボラ感染者の受け入れには、医療専門家の間で治療は困難で、2次感染による感染拡大の危険性があるとの意見があがっていた。



アメリカにおける2次感染
 10月12日にアメリカ、テキサス州でエボラ出血熱により死亡した男性(5日前)の治療にたっていた医療チームの女性看護師1名が、2次感染したことが明らかになった。この看護師を含め、70人がエボラ患者の治療にあたっていた。看護師は防護服を着用していたにも関わらず感染したことは、病院での感染予防の手順に不備があったのではないかといわれている。CDCは、スペインの看護師と同様、防護服や手袋などを脱ぐ際、体液が体に付着した可能性があるとしている。

  看護師は14日に、エボラ出血熱から回復したKent Brantly医師の血液の輸血を受け、状態は安定していると報道されている。現在、3次感染の恐れがあるため、看護師との接触があったとされる関係者は隔離されている。