金に注目し始めた中央銀行

Apr. 15, 2015

 4月17日にワシントンで予定されている極秘朝食会議で、特定の中央銀行と公的機関の代表が金に関しての議論を行うとされる。


極秘の朝食会議

 この朝食会議で注目すべきことは、公的通過金融機関フォーラム(Official Monetary and Financial Institutions Forum: OMFIF)とワールド・ゴルド・カウンシル(World Gold Council)の代表が参加する予定であることである。議論の焦点は、金、人民元、複数準備通制で、今後春に予定されている国際通貨基金IMF, 世界銀行と国連の関係機関の会議で、議題に予定されている世界の金融、通貨制度に関する議論のたたき台となるのではと思われる。



IMF の SDRに人民元が追加

 今年はIMFの特別引出権(Special Drawing Rights: SDR)の調整年である。SDR構成通過の調整は2010—2011年に行われ、今年は5年に1度の調整が実施される予定の年である。そこで、SDRに人民元が加わることが容認されると考えられている。前回の2010年には「自由な使用はできない」とされた人民元だが、世界第2の経済大国となった中国や人民元の国際化を後押しするためのインフラ整備を行ってきたことが評価されると見られる。




 3月末にIMFは、人民元をIMFのSDRに組み入れられることは時間の問題との意見を表明している。現在SDR通貨バスケットには、米国ドル、ユーロ、日本円とイギリスポンドが含まれている。人民元が含まれることで、今後の人民元のさらなる国際化と使用頻度を高めることにつながる。 




金もSDRに含まれるか

 金曜日に予定されている極秘朝食会議で金に関する議論を行うことは、金をSDRに組み入れるかの議論のではないかと考えてもおかしくない。


 現在の各国間の通過戦争による通貨の減価。それにより金融システムの混乱と経済の衰退のなか、世界的な金融システムの崩壊を食い止めるため、金を貨幣として認めていない中央銀行が、ようやく金の役割に注目を置くようになったのではないか。金が正式な貨幣として国際的に容認されれば、世界の金融システムは大きく変わることになる。