活発化する合同軍事演習

25.01.2016

Photo: stars and stripes

 

憲法改正論議が進む中で自衛隊が国外で米軍との戦闘活動のための軍事演習は昨年に米国、日本、インドの海軍合同演習以来活発化している。一方、米ロシアも中国、エジプト、インドとの軍事演習を行うこととなり西欧諸国に緊張を呼んでいる。

 

 

ロシア海軍の合同演習

121日付タス通信によればロシア海軍は今年、中国、エジプト、インドの海軍と軍事演習を行うという。ロシア海軍当局は軍事連携を強固にするため2016年に3国が複数の軍事演習を行う。またロシア海軍の沿岸警備軍が2016年に南極でミサイル実射を含む演習を行うとしている。

 

地中海でのロシアとエジプトの海軍の協力体制強化を目指して、2015年に”Frienship Bridge-2015”と呼ばれる合同演習が行われている。またロシアと中国の大規模な合同演習は20155月に黒海で行われている。今回は3国が合同演習を行い連携の強化をはかる。

 

 

グアムで日米が合同演習

日米の一連の合同演習は南シナ海の中国海軍の脅威に対抗するためのものである。2016年に予定されているグアムでの演習には米国の駆逐艦2隻に海自の護衛艦6隻が加わった大規模なものになることが米国内で話題になっている。

 

GUAMEXと呼ばれる合同演習は対潜水艦作戦の連携強化を目的とした毎年行われる定例のものだが、今回は中国の南シナ海への進出に対抗する意味合いが強い。安倍首相の海外での軍事力行使を認める憲法改正の動きは海外でも注目を浴びている。海自当局は米海軍と協力して南シナ海の定常パトロールも視野にいれるとしている。

 

 

Source: Iran Daily

 

空母4隻体制など海軍を近代化・強化して南シナ海へ進出しようとする中国と日米の艦船がそれを阻止しようとすれば、新たな紛争勃発に結びつくリスクがある。120隻の艦船を持つ日本の海自の戦力(注1)は世界有数であり、米空母攻撃部隊の先頭に立つことで一触即発の危険性が高いと考えられている。

 

 

(注1)シーレーン安全保障のため海自の哨戒能力と潜水艦攻撃能力は評価が高い。静粛性に優れる潜水艦はオーストラリア海軍に採用されようとしたなど世界的に知られている。

 

Source: Blazingcatfur

 

東シナカイの中国の主張する了解はベトナム、フイリピンに囲まれた広範囲な領域でこの中に位置する島の領有権をめぐって近隣諸国と中国の対立が深まりつつある。