活発化するRing of Fire

May 23, 2015

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Ring of Fireと呼ばれる太平洋を囲む活火山の活動が激しくなって、頻発する地震と含めて考えるとマグマの不安定さが浮かび上がるが、浅間山の火山性地震が増加し、気象庁が警戒を呼びかけた。


 浅間山の火山性地震は4月から火口直下を震源として増加、20日までに1,281回を観測した。21日には1日で53回の地震を観測したため22日に警戒警報を発令した。またこれより先に箱根山でも火山性地震が4カ月で4,000回を超えている。


 さらに21日には桜島の噴煙が史上6位となる4,300mを記録した。今年に入って小規模な噴火は572回目となる。桜島の噴煙はおなじみのものではあるが、昨年の御岳山の噴火のこともあるので、浅間山、箱根山、桜島と立て続けに観測される火山性地震や小噴火は決してあなどれない。


 代表的な地震の振動パターンを図に示す。


 

 一番上のパターンが通常のプレートの歪みに蓄えられていたエネルギーの放出によるもの。2番目がマグマの移動によって生じる火山性地震である。多くの場合、それらの深さは浅いが建物の崩壊などを引き起こす点では、一般の地震と同じである。

 

 短周期地震はマグマが岩石を破壊し表面に吹き上げることで生じる。長周期地震は火山のガスが高圧となり吹き上げることで共振がおきるもの。倍周波地震はマグマが直上の岩石を押し上げることで発生し、地表では固有振動(3番目のパターン)として感じる。

 

 長周期地震は大火山の予兆として、その後の火山噴火を予知できた例としては

Redoubt山(アラスカ)

Galeras山(コロンビア)

Popocatapetl(メキシコ)

 

などが有名で、この場合は大噴火前に数千人の市民の避難に成功したといわれる。図の一番下のHarmonic Tremorは火山のガスが高圧となって吹き上げることによる。Popocatapetl山の噴火を予知したBernard Chouetの警告に従って避難勧告をメキシコ政府がだしたために10,000人の市民が安全に避難できた。火山性地震によってセントヘレナ山の噴火の際には大規模な地滑りが引き起こされた。

 

 世界中の火山と地震の情報を伝えるVolcano Discoveryの最新情報をみておこう。

 

5月23日 フイリピンのBulusan火山噴火

5月23日 ソロモン諸島でM5.4の地震が発生。

5月22日 世界各地の火山の活動が活発化。

阿蘇山

箱根山

桜島

Batu Tara(インドネシア)

Lokon-Empung(インドネシア)

Fuego(グアテマラ)

Telica(ニカラグア)

Chaiten(アルゼンチン)

Piton de la Founaise(レユニオン)

 

 これらは全てRing of Fireの一部であることにもう一度、注意を払いたい。また新たに地面の隆起が観測された箱根では十分な注意が必要である。