進化を続けるデルタロケット

Jan. 24, 2015


 デルタはアメリカの商用通信衛星や気象衛星、科学観測用の衛星を打ち上げるための多用途汎用ロケットシリーズで、これまでに300機以上が打ち上げられている。最近ではドラゴン補給船の打ち上げにスペースX社の再利用ロケットファルコン9が使われ、脚光を浴びているが打ち上げ対象を限定した単一用途である。



デルタファミリー

 デルタロケットファミリーは長い歴史の中で大型化して来たが、現在のシリーズはデルタIVでその1段目を3本使用したデルタIVHeavyは別にとりあげたEELV(使い捨てロケット)として、マクダネルボーイング社が開発した。


 デルタIVはそれまでのデルタIIIを2段目にして、大型で推進燃料も液体酸素/水素とした新しい1段目とデルタIIIを2段目に使用する設計となった。打ち上げ能力は13tと大型衛星への対応が可能なデルタIVHeavyは2004年12月に打ち上げに成功した。



コスト重視の軍用ロケット

 デルタIVの特徴はコスト削減のために簡単化した設計と、Heavyでは3本のクラスターのエンジン出力を最適化することにより、燃料消費を抑える低燃費型ロケットであることだ。これまでの衛星打ち上げの実績は多く、成功率も高い。またクラスタの本数を3本から将来は6本に増強することで推進力を倍増させることもできるため、安定した衛星打ち上げシリーズとして活躍が期待される。


 デルタロケットはケープカナベラル他、ヴァンデンバーグ空軍基地から行なわれることからわかるように、空軍予算で開発されもともとは軍事衛星の打ち上げで発展して来たが、デルタIVシリーズは多彩な打ち上げ重量に対応できることで商業衛星打ち上げに使われるようになった。しかし宇宙ビジネス、スペースX社のエース、ファルコン9と経済性の競争ではファルコン9が回収に成功して再利用が実用化すれば、経済性では太刀打ちできない。打ち上げ能力軍事目的に活路をみいだすのか、これからの展開が興味深い。コスト重視なら軍事も民間もないということのようだ。