911真実の追求-Part 2

29.12.2015

Photo: CBS News

 

 911同時多発テロ事件から14年、今年も9/11に関する独立調査委員会の最終報告書の非公開となっている28ページの公開の追求は続いた。また9月には、遺族によるサウジアラビアに対する賠償訴訟の判決が下された。そうして、数々の新事実が明らかとなった。

 

 

サウジアラビアに対する賠償訴訟

 この28ページには、サウジアラビアの関与、特にアルカーイダに活動資金とロジスティクス上の支援を提供していたことを示す部分が含まれている。この情報を元に生存者や遺族を含む約3,000人は、サウジアラビアに対する賠償訴訟を起こした。その訴訟の判決が9月に下され、マンハッタン連邦裁判所の判事は、賠償要求の主権免除を認めたため、有罪判決はでなかったのである。

 

 

2015年に公表された新事実

 911の実行犯である、ザカリアス・ムサウイ受刑者は、2月にアルカーイダがサウジアラビア王族から資金援助を受けていたことを明らかにした。また、911の遺族弁護団はアルカーイダの指導者であったウサマ・ビンラディンと当時サウジアラビアの情報局長官であったファイサル王子や政府高官との間で手紙のやりとりがあったことなどの供述を、サウジアラビア賠償訴訟の追加資料として裁判所に提出した。

 

 国務省の元外務官であるマイケル・スプリングマン(J. Michael Springmann)は2月に、Visas for Al Qaeda: CIA Handouts That Rocked The Worldと題する本を出版した。サウジアラビアのジェダ領事館で勤務していたスプリングマンは、911テロ攻撃、サウジアラビアとCIAの関係を暴露した。

 

 本のなかで、イスラム教テロリストの訓練や中東からの移動はCIA工作であったことを告発した。CIAは、1980年代にアフガニスタンでロシア軍と戦うためのイスラム教兵士の訓練を行った。CIA支援のために結成された武装抵抗組織メンバーはその後、CIAが不正に発行した米国パスポートでアフガニスタンからバルカン諸国、イラク、リビア、シリアへと移動していった。これらのイスラム教兵士はアルカーイダなどのイスラム過激派組織に吸収されていったのである。

 

 

テロリストの履歴

 実際、航空機を同時に爆破する計画をアルカーイダに提案したKhalid Sheikh Muhammadはアフガニスタンで戦った後、1992年にボスニア戦争に参加している。ハイジャック容疑者でサウジ国籍のKhalid al-Mihdahar Nawaf al-Hazmiもボスニア戦争で戦闘経験を積んでいる。実行責任者のMohammed Atta とアルカーイダメンバーのMohammed Haydar Zammar もボスニアのジハードに参加した戦士組織に属していた。

 

 

Source: AFP

 

 

 CIAの訓練を受けた約600人の戦士はアメリカに連れてこられ、そのうちの数人がアメリカにおいての911テロ事件へ関与、 CIAがビンラディンやサウジの工作員と緊密に活動していたことが明らかにされた。全てが闇に葬り去られるはずの計画であったが、テロリストの起源と成長に国と組織が関与したことは拭い去ることができない歴史である。