南極の海氷が過去最高レベルに

08.11.2016

Photo: wallhd4.com

 

北極の氷の減少は地球温暖化説の根拠のひとつだが、南極の氷の挙動は真逆である。NASAの発表では南極の氷量は過去最大となった。ロシア科学アカデミーの天文観測部門のトップ、アブダサマトフ博士は氷床の試料を採取した結果、太陽照射量が減少していて、ミニ氷河期が2015年から始まると予測している(Science Direct 2016, 307)。

 

 

人間活動が起因とされる地球温暖化説は科学者の間で意見が分かれている。というのも得られている観測結果が何世紀にわたるものではなくごく短期間に限られるための予測誤差が大きいからである。また議論の多くは主要な熱源である太陽エネルギーの変動を無視し、温室効果ガスの増減に関してのみに終始する。

 

アブダササマトフ博士は論文の中で太陽活動(Total Solar Irradiation, TSI)が1990年から衰退期に入ったとしている。地球はTSIの一部を受け取りそれが主要な熱源となっている一方で輻射熱を放出して均衡を保っている。しかし赤外線放出で出て行く熱の方が受け取る熱より大きいため、全体として均衡は寒冷化の方向に偏る。

 

 

太陽活動サイクル24と呼ばれる長周期は2015年に極大となり、以後減少に転じる。太陽活動の極大は太陽活動サイクル27となる2043年でミニ氷河期の寒冷期は2060年に訪れる。

 

このためメキシコ湾の暖流が冷え込み欧州と北アメリカが寒気に襲われる。太陽活動の減少による寒冷化の影響が温暖化傾向を寒冷化傾向に変えるとしている。つまり温室効果ガスの削減で温暖化を抑えこむ以前に、寒冷化の傾向がすでに始まっているということは地球温暖化説にとって衝撃的な事実であろう。

 

 

パリ協定の発行で温室効果ガス削減をめぐり膨大な取引が行われることになるが、立ち止まって温暖化の本質を明らかにする必要がある。南極の氷の増大はそれを警告しているかのようだ。地球温暖化説支持者は北極の氷の減少を有名な北極クマの写真でアピールするが、南極の海氷は真逆の傾向を示し過去最大レベルとなっている。